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相続登記は、不動産を取得する相続人が自分で申請できます。不動産登記法第63条第2項は、相続による権利の移転の登記を、登記権利者(新しい名義人になる人)が単独で申請できると定めていて、司法書士に頼むことを条件にしていません。法務局も、相続登記の申請を検討する人向けに登記手続ハンドブック(遺産分割協議編・法定相続編)を公開し、登記手続案内(予約制)を用意しています。分かれ目は、遺言の有無、遺産分割の合意、相続人の数、不動産の所在地、数次相続かどうかです。この記事では、自分の場合に当てはまる行を探せるように、状況ごとに変わる点を法令と法務局の原文で整理します。
できます。不動産登記法第63条第2項は、相続による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請できると定めています。登記権利者は、不動産を取得して新しい名義人になる相続人です。他の相続人が一緒に法務局へ行く必要はありません。ただし遺産分割協議による登記では、遺産分割協議書に相続人全員が押印し、申請人を除く協議の当事者の印鑑証明書を添えます(法務局の登記手続ハンドブック)。
司法書士に頼むことは、申請の条件ではありません。司法書士法第3条は、司法書士の業務を「他人の依頼を受けて」登記に関する手続について代理することなどを業とするものと定めています(第73条は、司法書士でない者がこの業務を行うことを禁じています)。相続人が自分の登記を自分で申請することを禁じる定めは、この記事で確かめた法令には見当たりません。他の相続人に頼まれて申請書を作る場合などは扱いが変わることがあるので、法務局の登記手続案内か司法書士に確かめてください。
自分で申請するときに使える公の支え
| 支え | 内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 登記手続ハンドブック | 相続登記の申請書の記載例と添付書類を、遺産分割協議編と法定相続編に分けて公開(令和8年4月) | 法務局 |
| 登記手続案内 | 申請書の書き方や添付書類を聞ける。予約制 | 法務局 |
| 法務局が応じないこと | 遺産の分け方や、遺産分割協議書の作成についての問い合わせ・相談 | 法務局の手引きの注記 |
自分に近い行から見てください。右の列は、その状況で次に読む記事です。
状況ごとに、自分で申請するときに変わる点
| あなたの状況 | 変わる点 | 次に読む |
|---|---|---|
| 遺言書がある | 公正証書遺言と、法務局が保管している自筆証書遺言(遺言書情報証明書)は検認が要らない。それ以外の遺言書は、家庭裁判所の検認を請求する(裁判所)。相続人に遺贈する旨の遺言による登記も、登記権利者が単独で申請できる(不動産登記法第63条第3項) | 家庭裁判所別 遺言書の検認と相続放棄の申述先 |
| 相続人全員で話し合い、不動産を取得する人が決まった | 遺産分割協議編の手引きを見る。遺産分割協議書と、申請人を除く協議の当事者の印鑑証明書を添える。協議書の印鑑証明書に作成後3か月以内の制約はない(法務局) | 相続登記を自分でする手順 |
| 話し合いがまとまっていない | 法定相続分の割合で登記する方法がある。法務局は遺産の分け方の問い合わせに応じない。争いになっている事件を報酬を得て扱えるのは弁護士(弁護士法第72条) | 相続登記の3年の期限と相続人申告登記 |
| 相続人が多い・連絡の取れない人がいる | 戸籍の収集先と通数が増え、協議書には全員の押印が要る。法務省は、相続人が極めて多数で戸籍関係書類等の収集に多くの時間を要する場合を、期限に間に合わない正当な理由の例に挙げている | 相続登記を自分でするとかかる期間 |
| 不動産が遠方にある | 申請先は、不動産の所在地を管轄する登記所(不動産登記法第6条)。申請は窓口のほか、郵送やオンラインでもできる。戸籍は広域交付で最寄りの市区町村からも請求できる(窓口のみ・一部の戸籍は対象外) | 相続登記の申請書の書き方と出し方 |
| 相続登記をしないまま相続人が亡くなっている(数次相続) | 戸籍の範囲が広がり、申請の組み立ても変わる。法務局の登記手続案内で確かめる。土地については、登記を受ける前に亡くなった個人を名義人にする登記の登録免許税が、令和9年3月31日まで免税(国税庁) | 相続登記を自分でやった費用 |
| 不動産が複数の登記所にまたがって点在している | 登記は不動産ごとに、その所在地の登記所が扱う(不動産登記法第6条)。戸籍の束を出し直さずに済む法定相続情報一覧図が役立つ | 法定相続情報一覧図とは |
手間は3か所に出ます。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍が要ります。戸籍は婚姻・転籍・戸籍のコンピュータ化による改製などで複数に分かれるため、本籍地が変わっているほど請求先と通数が増えます。相続人の戸籍は、被相続人が亡くなった日以後の証明日のものが必要です。広域交付で最寄りの市区町村の窓口から請求できますが、請求できるのは本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の戸籍に限られ、郵送や代理人による請求はできず、一部の戸籍・除籍は対象外です。
法務局は、遺産の分け方や協議書の作成の問い合わせには応じません。書き方は遺産分割協議書の書き方で確かめられます。全員の押印と印鑑証明書が集まるまでの間が、時間の読みにくい部分です。
申請書には、登記の目的、登記原因とその日付、不動産の表示、課税価格、登録免許税などを書きます(不動産登記令第3条)。登録免許税は、固定資産課税台帳の価格に0.4%を掛けて計算します。計算は相続登記を自分でやった費用に、書き方は相続登記の申請書の書き方と出し方にまとめました。
不備があっても、すぐに終わりではありません。補正できる不備は、登記官が定めた相当の期間内に直せば却下されません(不動産登記法第25条)。
司法書士に頼んだ場合の費用は相続登記を司法書士に頼む費用に、必要書類の一覧は相続登記の必要書類にあります。
相続による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請できると不動産登記法第63条第2項が定めています。登記権利者は、不動産を取得して名義人になる相続人です。遺産分割協議による登記では、協議書に全員の押印が要ります。
司法書士法は、司法書士の業務を他人の依頼を受けて行う代理や書類の作成と定めています。相続人が自分の登記の申請書を作ることを禁じる定めは、この記事で確かめた法令には見当たりません。他の人の分を頼まれて作る場合は、法務局の登記手続案内か司法書士に確かめてください。
法務局には登記手続案内(予約制)があり、申請書の書き方や添付書類を聞けます。一方、遺産の分け方や遺産分割協議書の作成についての問い合わせには応じないと、法務局が手引きで案内しています。
補正できる不備は、登記官が定めた相当の期間内に直せば却下されません(不動産登記法第25条)。管轄の違い、添付情報の不足、登録免許税の未納付などが、却下の事由に挙がっています。
相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に申請する義務があります(不動産登記法第76条の2)。令和6年4月1日より前に知った不動産で登記が済んでいないものは、令和9年3月31日までです。遺産分割がまとまらないときは相続人申告登記で義務を果たせます。
登記の前に、相続税がかかるかどうかも計算機で確かめられます
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