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相続した土地を売ったときの税金は、売った金額から「取得費」と「譲渡費用」を引いた譲渡所得に、税率を掛けて決まります(国税庁 No.3202)。譲渡した年の1月1日で所有期間が5年を超えれば、所得税15%・住民税5%です(No.3208)。所有期間は亡くなった方が取得した日から数えるので(No.3270)、昔から家にあった土地はほとんどが長期です。取得費が分からないときは、売却額の5%を取得費にできます(No.3258)。亡くなった方が住んでいた家とその敷地を売るときの3,000万円特別控除は、畑・山林・空き地・貸していた土地には使えません(No.3306)。使える可能性があるのは、相続税を払った人の取得費加算(No.3267)と、売却額が500万円以下などの低未利用土地等の100万円控除(No.3226)です。
土地を売った税金は、給与などの所得とは分けて計算します(分離課税)。計算式は次のとおりです。
土地の譲渡所得の計算(国税庁 No.3202・No.3208)
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 収入金額 | 土地を売った金額 |
| 取得費 | 買い入れたときの購入代金や購入手数料などに、その後の改良費・造成費などを加えた額。建物と違い、土地は減価償却をしません |
| 譲渡費用 | 売るために直接かかった費用。仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用など |
| 特別控除額 | 通常は無し。取得費加算(取得費に足す)や、低未利用土地等の100万円控除など、特例を使うときだけ |
課税される譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
税率(譲渡した年の1月1日の所有期間で決まる)
| 区分 | 所有期間 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 5年を超える | 15% | 5% |
| 短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
平成25年から令和29年までの各年分は、所得税額に2.1%を掛けた復興特別所得税を併せて申告・納付します(No.3208)。長期は、復興特別所得税を含めると合計で約20.315%です。
相続した土地の所有期間は、相続した人が取得した日ではなく、亡くなった方が取得した日から数えます(No.3270)。祖父の代から家にあった土地を相続して売るなら、売るのがいつでも長期譲渡所得です。
土地の状態で変わる点
| 土地の状態 | 税金で押さえる点 | 売る前に確かめること |
|---|---|---|
| 更地・空き地 | 譲渡所得の計算は上の式のとおり。特例は、取得費加算と、条件に合えば低未利用土地等の100万円控除 | 名義が亡くなった方のままなら、先に相続登記が要ります。売却前の名義変更 |
| 家を取り壊した跡地 | 売るために取り壊した費用は譲渡費用になる(No.3255)。亡くなった方が住んでいた家なら、取り壊したあとの敷地を売るときも3,000万円特別控除の対象になりうる(No.3306) | 取り壊す前に、特例の要件と期限を確かめる。空き家を解体して売るときの3,000万円特別控除 |
| 農地(田・畑) | 農地でも、譲渡所得の計算は同じ。農地保有の合理化などのために売る場合の800万円控除が別にある(No.3223) | 農地を農地のまま売るには農業委員会の許可(農地法第3条)、農地以外にするために売るには都道府県知事等の許可(同第5条)が要る。市街化区域内の農地は、農業委員会への届出で足りる場合がある(同第5条第1項第6号) |
| 山林 | 土地そのものは譲渡所得。立木を伐採して売ったり、立木のまま売ったりして生じる所得は山林所得で、別の計算になる(No.1480) | 立木込みで売るときは、土地の部分と立木の部分で所得の種類が分かれる。売る前に税務署で確かめる |
| 貸している土地・相続後に使った土地 | 譲渡所得の計算は同じ。ただし、相続の時から売る時まで事業・貸付け・居住に使った土地は、3,000万円特別控除の対象にならない(No.3306) | 借りている人がいる土地は、契約の内容を確かめてから売り方を決める |
この記事の特例の話は、建物のない土地を中心にしています。実家の建物ごと売るときの税金は相続した実家を売却すると税金はいくらかで確かめられます。
相続した土地の取得費は、亡くなった方がその土地を買い入れたときの購入代金や購入手数料などを基に計算します。事業に使っていない土地なら、相続した人が払った登記費用や不動産取得税も取得費に含められます(No.3270)。
土地の取得費・譲渡費用に入るもの・入らないもの
| 区分 | 入るもの | 入らないもの |
|---|---|---|
| 取得費 | 購入代金・購入手数料、土地の造成費用(埋立て・土盛り・地ならし)、取得時の測量費、取得時に納めた登録免許税・不動産取得税・印紙税(No.3252)。相続時の登記費用・不動産取得税(No.3270) | 事業所得などの必要経費にした費用(No.3252) |
| 譲渡費用 | 仲介手数料、売主が負担した印紙税、建物を取り壊して土地を売るときの取壊し費用(No.3255)、測量費(No.3208) | 修繕費や固定資産税など、維持や管理にかかった費用(No.3255) |
購入時の資料がなく、取得費が分からないときは、売った金額の5%相当額を取得費にできます。実際の取得費が5%より少ないときも同じです(No.3258)。ただし5%を使うと、相続人が払った登記費用などは取得費に含められません(No.3270)。詳しくは購入価格が分からないときの税金で確かめられます。
仮定:亡くなった方が40年前に取得した更地を1,500万円で売り、購入時の資料がなく取得費は売却額の5%を使う場合です。譲渡費用(仲介手数料・測量費など)は60万円とします。
税額の計算例(特例を使わない場合)
| 段階 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 取得費(概算) | 1,500万円×5% | 75万円 |
| 譲渡所得 | 1,500万円-(75万円+60万円) | 1,365万円 |
| 所得税 | 1,365万円×15% | 204万7,500円 |
| 復興特別所得税 | 204万7,500円×2.1% | 4万2,997円 |
| 住民税 | 1,365万円×5% | 68万2,500円 |
| 合計 | 277万2,997円 |
数字は説明のための仮定です。実際の税額は、売却の条件によって変わります。
売却額が500万円以下の低未利用土地で条件に合うときは、100万円の特別控除で税額が下がります。たとえば400万円で売り、取得費20万円(5%)・譲渡費用30万円なら、譲渡所得350万円の税額は合計71万1,025円ですが、100万円を控除すると譲渡所得250万円で合計50万7,875円です(所得税15%・復興特別所得税2.1%・住民税5%で計算した仮定)。
土地の売却で確かめる特例
| 特例 | 土地に使えるか | 要点 |
|---|---|---|
| 取得費加算の特例(No.3267) | 使える | 相続税が課税された人が、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ったとき、払った相続税の一部を取得費に足せる。期限と計算式 |
| 被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除(No.3306) | 住んでいた家とその敷地を売る場合だけ | 畑・山林・空き地・貸地には使えない。家を取り壊したあとの敷地は、要件を満たせば対象。取得費加算とは併用できない。要件 |
| 低未利用土地等の100万円控除(No.3226) | 条件に合えば使える | 都市計画区域内の、使われていない土地等で、売った年の1月1日で所有期間が5年超。売った金額が500万円以下(市街化区域などは800万円以下)。親子や夫婦など特別な関係の人への売却は対象外。売ったあとに利用されること。令和10年12月31日までの売却 |
特別控除は、その年の譲渡益全体を通じて合計5,000万円が限度です(No.3223)。売って損が出たときは、損失を他の土地や建物の譲渡所得から控除できますが、事業所得や給与所得など他の所得とは損益通算できません(No.3203)。
特例を使うときも使わないときも、売った年の翌年に確定申告をします。相続した土地を売ったら確定申告は必要かで、期限と書類を確かめられます。
譲渡所得は「売った金額-(取得費+譲渡費用)」で計算するため、マイナスやゼロなら課税される譲渡所得はありません。損失は、他の土地や建物の譲渡所得から控除できますが、他の所得とは損益通算できません(国税庁 No.3203)。
売った金額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。ただし5%を使うと、相続人が払った登記費用などを取得費に含められません(No.3270)。概算取得費5%の使い方で確かめられます。
低未利用土地等の100万円控除は、売手と買手が親子や夫婦など「特別な関係」でないことが要件です。生計を一にする親族や内縁関係の人も含まれます(国税庁 No.3226)。
売るには、先に相続登記で名義を変える手順になります。相続登記をしていない実家は売れるかで、理由と3年の期限を確かめられます。
土地やマンションを売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます
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