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相続土地国庫帰属制度の費用は、審査手数料が土地1筆につき14,000円、承認されたあとに納める負担金が20万円からです(施行令第3条・第5条)。負担金は土地の区分と面積で決まり、市街化区域内の宅地100㎡なら548,000円です。審査手数料は、承認されなくても返還されません(施行規則第5条)。申請書類の作成を行政書士に頼むときの費用は、日本行政書士会連合会の令和7年度調査(回答9件)で、平均113,111円でした。この制度は、相続や遺贈で土地を取得した人が使えます(法第2条第1項)。
相続土地国庫帰属制度の費用の全体
| 時期 | 費用 | 金額と根拠 |
|---|---|---|
| 申請するとき | 審査手数料 | 土地1筆ごとに14,000円。申請書に収入印紙を貼って納める(施行令第3条・施行規則第5条) |
| 承認されたあと | 負担金 | 土地の区分と面積で決まる。最低は20万円(施行令第5条)。承認の通知とあわせて額が通知され、通知を受けた日から30日以内に納めないと承認が効力を失う(法第10条) |
| 任意 | 書類作成を専門家に頼む費用 | 司法書士・行政書士など。額は事務所ごとに異なる |
負担金を納めた時点で、土地の所有権が国庫に帰属します(法第11条)。
負担金は、国有地の種目ごとに、管理に要する10年分の標準的な費用の額を考慮して、政令で定めます(法第10条第1項)。
上の表に入っていない費用もあります。申請できる土地は、建物がなく、地上に工作物や樹木などがなく、境界が明らかなものなど、法律で条件が決まっています(法第2条第3項・第5条第1項)。条件に合わせるために建物の取壊しや撤去が必要な土地は、その費用が別にかかります。条件は国庫帰属に向かない土地で確かめられます。
審査手数料は、承認申請に係る土地の一筆ごとに14,000円です(施行令第3条)。承認申請書に、手数料の額に相当する収入印紙を貼り付けて納めます(施行規則第5条第1項)。
手数料は、納付したあとは返還されません(同条第2項)。承認申請が却下された場合も、承認されなかった場合も、返ってきません。承認申請書は土地の一筆ごとに作るのが原則ですが、同じ申請者が2筆以上の土地を同時に申請するときは、まとめて出せます(施行規則第4条)。3筆なら審査手数料は42,000円です。
申請書と添付書類は、土地の所在地を管轄する法務局または地方法務局の長に提出します(施行規則第1条)。管轄の法務局は全国の法務局の窓口一覧で確かめられます。
負担金は、土地の区分ごとに「地積(㎡)×単価+定額」で計算します(施行令第5条)。千円未満の端数は切り捨てます。
宅地(市街化区域など)の負担金
| 地積 | 算定式 |
|---|---|
| 50㎡以下 | 地積×4,070円+208,000円 |
| 50㎡超100㎡以下 | 地積×2,720円+276,000円 |
| 100㎡超200㎡以下 | 地積×2,450円+303,000円 |
| 200㎡超400㎡以下 | 地積×2,250円+343,000円 |
| 400㎡超800㎡以下 | 地積×2,110円+399,000円 |
| 800㎡超 | 地積×2,010円+479,000円 |
直ちに建物の敷地に使える土地で、市街化区域(区域区分のない都市計画区域では用途地域)内のもの。
農地の負担金
| 地積 | 算定式 |
|---|---|
| 250㎡以下 | 地積×1,210円+208,000円 |
| 250㎡超500㎡以下 | 地積×850円+298,000円 |
| 500㎡超1,000㎡以下 | 地積×810円+318,000円 |
| 1,000㎡超2,000㎡以下 | 地積×740円+388,000円 |
| 2,000㎡超4,000㎡以下 | 地積×650円+568,000円 |
| 4,000㎡超 | 地積×640円+608,000円 |
主に農地として利用されている土地のうち、市街化区域内、農業振興地域の農用地区域内、土地改良事業などが施行される区域内にあるもの。
森林の負担金
| 地積 | 算定式 |
|---|---|
| 750㎡以下 | 地積×59円+210,000円 |
| 750㎡超1,500㎡以下 | 地積×24円+237,000円 |
| 1,500㎡超3,000㎡以下 | 地積×17円+248,000円 |
| 3,000㎡超6,000㎡以下 | 地積×12円+263,000円 |
| 6,000㎡超1万2,000㎡以下 | 地積×8円+287,000円 |
| 1万2,000㎡超 | 地積×6円+311,000円 |
主に森林として利用されている土地。
上の3つ以外の土地(市街化区域の外の宅地、農地・森林以外の土地など)は、面積にかかわらず一律20万円です(施行令第5条第1項第4号)。
隣り合う2筆以上の土地が、いずれも上の同じ区分に当たるときは、申出をすると、1筆の土地とみなして負担金を算定します(施行令第6条)。たとえば、市街化区域の宅地で、100㎡の土地が2筆隣り合うなら、別々に算定すると548,000円×2=1,096,000円ですが、200㎡の1筆とみなすと793,000円です。
土地別の費用の例(審査手数料14,000円を含む)
| 土地の例 | 負担金 | 合計 |
|---|---|---|
| 市街化区域の宅地100㎡ | 548,000円(100×2,720+276,000) | 562,000円 |
| 市街化区域の宅地200㎡ | 793,000円(200×2,450+303,000) | 807,000円 |
| 市街化調整区域の宅地(区域区分のある都市計画区域) | 200,000円(一律) | 214,000円 |
| 農用地区域内の農地1,000㎡ | 1,128,000円(1,000×810+318,000) | 1,142,000円 |
| 森林3,000㎡ | 299,000円(3,000×17+248,000) | 313,000円 |
| 森林1万㎡ | 367,000円(10,000×8+287,000) | 381,000円 |
| 隣り合う宅地100㎡×2筆を別々に申請 | 1,096,000円(548,000×2) | 1,124,000円(手数料2筆分28,000円) |
| 同じ2筆を、1筆とみなす申出をして申請 | 793,000円(200㎡の1筆として) | 821,000円(手数料2筆分28,000円) |
市街化調整区域の宅地は、施行令第5条第1項第4号の一律20万円に当たると読める例です。自分の土地がどの区分かは、法務局に確かめてください。
負担金は、同じ面積でも、市街化区域の宅地が高く、森林は広くても比較的低く算定されます。市街化区域の宅地は、売れる可能性も高い土地なので、売ったときの税金や買取の査定額と並べて考えると判断しやすくなります。
承認申請書は、法務局の長に提出する書類です(施行規則第1条)。法務局に提出する書類の作成は司法書士の業務(司法書士法第3条第1項第2号)、官公署に提出する書類の作成は行政書士の業務(行政書士法第1条の3第1項)と、条文に書かれています。条文の文言からは、国庫帰属の申請書類の作成がこれらに当たると読めます。実際に頼める範囲は、依頼先に確かめてください。
行政書士の報酬額統計調査 450「相続土地国庫帰属の承認申請」(令和7年度・令和8年1月実施・回答9件)
| 報酬額 | 件数 |
|---|---|
| 7.6万円未満 | 4件 |
| 7.6万円以上14.2万円未満 | 2件 |
| 14.2万円以上20.8万円未満 | 1件 |
| 20.8万円以上27.4万円未満 | 1件 |
| 27.4万円以上 | 1件 |
| 平均・最小値・最大値・最頻値 | 平均113,111円・最小10,000円・最大275,000円・最頻値55,000円(2件) |
調査の金額には消費税を含み、立替金は含みません。回答が9件と少なく、事務所ごとの差が大きい調査です。
日本司法書士会連合会が公表している令和6年3月実施の報酬アンケート(PDF 2点)には、国庫帰属の承認申請の項目は見当たりませんでした。司法書士に頼むときの費用は、事務所の見積もりで確かめます。
自分で申請するときに用意するのは、申請書のほか、土地の位置と範囲を明らかにする図面、土地の形状と境界点を明らかにする写真、国庫帰属後の所有権移転登記を嘱託することの承諾書、印鑑証明書などです。相続で取得したことが登記記録から明らかでないときは、それを証する書面も要ります(施行規則第2条・第3条)。
手放し方の費用の考え方
| 手放し方 | 費用の考え方 |
|---|---|
| 相続土地国庫帰属制度 | 審査手数料14,000円+負担金20万円〜。承認されても、手元にお金は入らない。建物がある土地などは申請できない(法第2条第3項) |
| 売る(買取・仲介) | 売れれば、売却額から取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得に税金がかかる(税金の計算)。買い手が見つかるかどうかで結果が変わる |
承認されない土地の要件は、国庫帰属に向かない土地と、売る・買取に出すときの比べ方にまとめています。
戻りません。手数料は、納付したあとは返還しないと施行規則第5条第2項に書かれています。
承認の通知とあわせて通知される負担金の額を知った日から30日以内に納めます。納めないと、承認は効力を失います(法第10条第3項)。納付は、国が発した納入告知書または納付書によります(施行規則第19条)。
共有の土地は、共有者の全員が共同して承認申請をします(法第2条第2項)。審査手数料と負担金の分け方は、共有者どうしで決めておく必要があります。
申請できるのは、相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)で土地の所有権または共有持分を取得した人です(法第2条第1項)。売買で買った土地だけを持つ人は、単独では申請できません。
土地やマンションを売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます
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