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相続税を払った人が、相続した土地や建物を一定期間内に売ると、払った相続税の一部を取得費に加算でき、譲渡所得が減ります(国税庁 No.3267)。使える人は、相続や遺贈で財産を取得し、相続税が課税され、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売った人です。相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内(No.4205)なので、期限はおおむね3年10か月です。
要件は次の3つです(国税庁 No.3267)。
対象は土地、建物、株式などの財産で、譲渡所得にだけ適用されます。基礎控除の範囲内で相続税がかからなかった人は、使えません。相続税がかかるかどうかは相続税の計算機で目安をつかめます。
相続開始の日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(国税庁 No.4205)。
期限の例(相続の開始を知った日=亡くなった日とした仮定)
| 亡くなった日 | 相続税の申告期限 | 取得費加算で売る期限 |
|---|---|---|
| 令和6年3月10日 | 令和7年1月10日 | 令和10年1月10日 |
| 令和7年6月1日 | 令和8年4月1日 | 令和11年4月1日 |
期限が土日祝日に当たる場合の扱いなどは、税務署で確認してください。
空き家の3,000万円特別控除より期限が長く、相続税を払う実家の売却では、売る時期の選択肢が広がります。
国税庁 No.3267 の算式は、次のとおりです。
取得費に加算する相続税額=その者の相続税額×(その者の相続税の課税価格の計算の基礎とされた、譲渡した財産の相続税評価額)÷(その者の取得財産の価額+相続時精算課税適用財産の価額+純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産の価額)
この金額が、特例を使わずに計算した譲渡益を超えるときは、譲渡益に相当する額までです。譲渡した財産ごとに計算します。
計算例(他の加算がない場合の仮定)
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| その人の相続税額 | 1,000万円 |
| 取得財産の価額の合計 | 1億円 |
| 売った実家の相続税評価額 | 3,000万円 |
| 取得費に加算する相続税額 | 1,000万円×3,000万円÷1億円=300万円 |
| 売却額4,000万円・譲渡費用150万円・取得費(5%)200万円の場合の譲渡所得 | 加算なし 3,650万円 → 加算あり 3,350万円 |
数字は説明のための仮定です。実際の税額は、売却の条件によって変わります。
確定申告書に、「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」と「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用]」を添えます。計算明細書を使うと、加算する相続税額を計算できます(国税庁 No.3267)。
要件に「その財産を取得した人に相続税が課税されていること」があり、加算額もその者の相続税額から計算します(国税庁 No.3267)。相続税が課税されていない人は使えません。
土地、建物、株式などの財産が対象です。ただし、株式等の譲渡による事業所得や雑所得には使えません(国税庁 No.3267)。
国税庁の質疑応答事例に、相続税の修正申告があった場合の取得費加算の扱いが載っています。該当する場合は税務署か税理士に確かめてください。
実家を売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます
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