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相続税の申告書は、財産を取得した相続人が自分で作って提出できます。相続税法第27条は、財産を取得した人が申告書を提出するものと定めていて、税理士に頼むことを条件にしていません。分かれ目は、財産の中身と、特例を使うかどうかです。預貯金と上場株式が中心なら、国税庁の冊子が評価の方法を「相続開始の日現在の預入残高など」「終値」と具体的に示しているので、自分で数字を拾えます。土地があるとき、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使うとき、遺産が未分割のままのとき、相続人の間で連絡がつかないときは、手間と添付書類が増えます。この記事では、申告が必要かの確かめ方、自分の場合の見分け方、手が止まりやすい点を、国税庁の原文で整理します。
相続や遺贈で取得した財産の価額の合計額(債務などを差し引き、一定の生前贈与を加算した額)が、遺産に係る基礎控除額を超えるときに、申告と納税が必要です。範囲内なら申告も納税も要りません(国税庁 No.4205)。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です(国税庁「相続税の申告のしかた」)。
法定相続人の数ごとの基礎控除額
| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |
|---|---|
| 1人 | 3,600万円 |
| 2人 | 4,200万円 |
| 3人 | 4,800万円 |
| 4人 | 5,400万円 |
| 5人 | 6,000万円 |
3,000万円+600万円×法定相続人の数で本サイトが計算した例です。養子がいる場合は、法定相続人の数に含める養子の数に上限があります(実子がいれば1人、いなければ2人まで)。
この「合計額」は、小規模宅地等の特例などを適用しない場合の額で見ます(国税庁 No.4205 の注)。特例を使うと税額がゼロになる場合でも、特例を使う前の合計額が基礎控除額を超えるなら、特例を受けるために申告書を出す必要があります。
国税庁の公表では、令和6年分に亡くなった1,605,378人のうち、相続税の申告書の提出に係る被相続人は166,730人で、課税割合は10.4%でした。申告が必要になる人は、亡くなった人の約10人に1人です。
要否の目安は、国税庁の相続税の申告要否判定コーナーで確かめられます。当サイトの相続税かんたん計算機や基礎控除の記事でも、先に概算できます。
自分に近い行から見てください。右の列は、その状況で次に読む記事です。
状況ごとに、国税庁の原文が示していること
| あなたの状況 | 国税庁の原文が示していること | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| 財産が預貯金・上場株式・生命保険金が中心 | 預貯金は、相続開始の日現在の預入残高と、解約した場合に受けられる既経過利子(源泉徴収されるべき税額に相当する額を差し引いた金額)の合計額で評価する。上場株式は、相続開始日の終値、その月・前月・前々月の終値の月平均額のうち、最も低い価額で評価する | 申告書の表を作る順番と必要書類 |
| 自宅や土地がある | 土地は路線価方式か倍率方式で評価し、「土地及び土地の上に存する権利の評価明細書」などを用いる。評価の明細は申告書に添付する | 土地の評価と小規模宅地等の特例 |
| 小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使う | 遺産分割協議書の写しや、相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書に押印したもの)などを添付する。特例を受ける人が2人以上いる場合は、選択について全員が同意し、原則として申告期限までに分割されている必要がある | 土地の評価と小規模宅地等の特例 |
| 遺産がまだ分かれていない | 分割されていないことで申告期限は延びない。分割協議が成立していないときは、民法の相続分などの割合で財産を取得したものとして申告する。この申告では小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減が適用できない | 未分割で申告したときの税額の計算 |
| 相続人が複数で、連絡が取れない人がいる | 申告書は、財産を取得した人が共同で作成して提出できる。連絡がとれないなどで共同で提出できないときは、別々に提出して差し支えない | e-Taxで申告する手順 |
| 非上場株式・事業用財産がある | 取引相場のない株式は、類似業種比準方式・純資産価額方式などで評価し、「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を用いる | 税理士に無料で相談する方法 |
相続税の申告書を自分で作ることは、税理士業務の制限にはかかりません。税理士法は、税理士の業務を「他人の求めに応じ」て行うものと定め(第2条)、税理士でない者が税理士業務を行うことを禁じています(第52条)。ただし、他の相続人に頼まれて申告書を作る場合などは扱いが変わることがあります。迷うときは、税務署か税理士に確かめてください。
国税庁の案内から、手間が増える場面を3つに絞ります。
電子申告(e-Tax)を使う場合も注意があります。国税庁の案内では、e-Taxソフトは、画面の案内に従って金額を入力すると税額が自動計算される確定申告書等作成コーナーのような仕組みではなく、利用者自身が計算した金額を直接入力するソフトです。先に紙の上で税額まで計算しておく必要があります。
手が止まったときは、国税庁の電話相談センターや税務署の面接相談で、一般的な取扱いを確かめられます。窓口ごとの違いは相続の税理士に無料相談する方法にまとめました。
手順ごとに記事を分けました。
税理士に頼む場合の報酬の目安は相続税の税理士報酬の相場に、期限を過ぎた場合の追徴は相続税の申告漏れの追徴課税にあります。
作れます。相続税法第27条は、相続や遺贈で財産を取得した人が申告書を提出するものと定めています。自分の申告書を自分で作ることは、他人の求めに応じて行う税理士業務には当たりません。他の相続人に頼まれて作る場合などは、税務署か税理士に確かめてください。
国税庁の冊子では、預貯金は相続開始の日現在の預入残高と既経過利子(源泉徴収されるべき税額に相当する額を差し引いた金額)の合計額、上場株式は終値や月平均額のうち最も低い価額で評価すると示されています。数字は金融機関の証明書などで確かめられます。
国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」で、財産の金額などを入力して、申告のおおよその要否を判定できます。申告書を作成するものではありません。
国税庁は、電話相談センターと、税務署の面接相談で国税に関する相談を受け付けています。書類や事実関係の確認が必要な相談は、面接相談が案内されています。
申告期限までに申告しなかった場合は、本来の税金のほかに加算税や延滞税がかかる場合があります(国税庁 No.4205)。災害その他やむを得ない理由などで申告期限までに申告できないときは、期限の延長制度があります。
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