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相続税の申告を自分でして、あとから間違いに気づいたときの手続きは、税額が少なすぎたか、多すぎたかで分かれます。少なすぎたときは修正申告、多すぎたときは更正の請求です。更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内にできます(国税通則法第23条)。遺産分割が申告のあとに決まったときは、相続税法第32条の特則があり、分割を知った日の翌日から4か月以内に更正の請求ができます。修正申告は、気づいたらできるだけ早く出します。税務署からの調査の事前通知より前に自分から出せば、過少申告加算税はかかりません。この記事では、手続き、加算税の率、税務調査の流れを、法令と国税庁の原文で整理します。
間違いの内容ごとの手続き
| 状況 | 手続き | 期間 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 納める税金が少なすぎた(還付が多すぎた) | 修正申告書を出す | 気づいたらできるだけ早く。税務署の更正があるまでは出せる | 国税通則法第19条、国税庁 No.2026 |
| 納める税金が多すぎた(還付が少なすぎた) | 更正の請求書を税務署長に出す | 法定申告期限から5年以内(原則) | 国税通則法第23条、国税庁 No.2026 |
| 遺産が未分割のまま申告し、あとで分割した(税額が増える) | 修正申告 | 分割に基づく税額が申告した税額より多いときにできる。特例を適用できるのは、原則として申告期限から3年以内に分割があった場合 | 国税庁 No.4208 |
| 遺産が未分割のまま申告し、あとで分割した(税額が減る) | 更正の請求 | 分割のあったことを知った日の翌日から4か月以内 | 相続税法第32条、国税庁 No.4208 |
| 申告後に遺言書が見つかった、遺留分侵害額の請求で支払う額が決まったなど | 更正の請求 | 事由が生じたことを知った日の翌日から4か月以内 | 相続税法第32条 |
修正申告と更正の請求は、e-Taxでも出せます。相続税の修正申告書も、平成31年1月1日以後の相続等により財産を取得した人の申告から、e-Taxで送信できます(e-Tax よくある質問)。
更正の請求があると、税務署が内容を検討し、納め過ぎがあると認めたときは減額の更正をして、税金が還付されます。請求をした人には内容が通知されます。ただし、更正の請求をしても、納める税金の徴収は、原則として猶予されません(国税通則法第23条)。
修正申告の税額と加算税の概算は相続税の修正申告の計算ツール、更正の請求で戻る額は更正の請求の計算ツールで出せます。
修正申告で新たに納める税金には、過少申告加算税がかかる場合があります。国税庁の案内(所得税の確定申告を間違えたとき)に示された率は次のとおりです。加算税は国税通則法の規定で、相続税も同じ規定(第65条・第66条・第68条)の対象です。
過少申告加算税の率(修正申告・更正の場合)
| 修正申告をした時期 | 加算税の率 |
|---|---|
| 税務署からの調査の事前通知の前に、自主的に修正申告 | かからない |
| 調査の事前通知の後に修正申告(調査による更正を予知する前) | 新たに納める税金の5%。新たに納める税金が当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10% |
| 調査を受けた後に修正申告(更正を予知した修正申告)、または税務署から更正を受けた | 新たに納める税金の10%。上記の超える部分は15% |
国税庁 No.2026。令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するものについては、帳簿の提示をしなかった場合などの加算措置もあります。
申告期限までに申告しなかった場合の期限後申告には、無申告加算税がかかる場合があります。調査の事前通知の前に自主的に期限後申告をしたときは、納付すべき税金の5%です。事前通知の後は、50万円までの部分が10%、50万円を超え300万円までが15%、300万円を超える部分が25%です(法定申告期限が令和6年1月1日以後のもの。国税庁 No.2024)。
事実を隠したり仮装したりして申告した場合は、過少申告加算税に代えて重加算税が課されます。税率は、過少申告の場合は35%、無申告の場合は40%です(国税通則法第68条)。
新たに納める税金の納期限は、修正申告書を出す日です。その日までの延滞税もあわせて納めます。計算の目安は相続税の申告漏れの追徴課税にあります。
税務署が実地の調査を行うときは、あらかじめ納税義務者に、調査を開始する日時、場所、調査の目的、対象となる税目、対象となる期間、対象となる帳簿書類などを通知します(国税通則法第74条の9)。調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合など、事前通知を要しない場合は、第74条の10に定められています。税務代理人がいる場合は、納税義務者の同意があれば、その代理人に通知されます。
調査が終わると、次のいずれかになります(同法第74条の11)。
修正申告をすると、不服申立てはできませんが、更正の請求はできます。税務署は、この旨を説明し、書面を交付することとされています。通知の後や調査の後でも、新たに得られた情報から誤りがあると認めるときは、再び調査を行えます。
対象になりやすいケースと、事前にできる対策は相続税の税務調査とは?にまとめました。調査の事前通知より前に自分から修正申告をすれば、過少申告加算税がかからないことは、上の表のとおりです。
国税庁が案内する確認の窓口は、次の3つです。
特に、遺産が未分割のままの申告、小規模宅地等の特例の要件、財産の漏れ(名義預金など)は、あとから見直しになりやすい点です。提出前の確認の順番は、申告書の表を作る順番と必要書類で確かめられます。自分で申告するかの分かれ目は相続税申告を自分でできる?にあります。
更正の請求書を税務署長に提出します。原則として、法定申告期限から5年以内にできます(国税通則法第23条)。遺産分割がのちに決まったことなどが理由のときは、相続税法第32条で、事由を知った日の翌日から4か月以内です。
税務署からの調査の事前通知の前に自主的に修正申告をした場合は、過少申告加算税はかかりません(国税庁 No.2026)。事前通知の後や調査後の修正申告では、5%から15%の率がかかります。延滞税は別にかかります。
納税者が課税の基礎となる事実の全部または一部を隠したり仮装したりして申告した場合などです。過少申告の場合は35%、無申告の場合は40%の割合で課されます(国税通則法第68条)。
実地の調査を行うときは、あらかじめ、開始する日時や場所、目的、対象税目、対象期間などを通知することが国税通則法第74条の9に定められています。事前通知を要しない場合は、第74条の10に定められています。
修正申告をした場合、その修正申告について不服申立てはできませんが、更正の請求はできると、国税通則法第74条の11で説明が義務づけられています。
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