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不動産の売却 2026年10月28日 読了 約10分

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実家の解体費用は誰が払う?費用の決まり方・相続人での分け方・補助金の探し方

実家の解体費用は、建物の構造・広さ・付帯工事・家の中の荷物の量などで決まります。「坪いくら」という市場の相場を公的機関が公表している資料は、確認できた範囲にはなく、公的資料に載っているのは補助金を計算するときの単価だけです。解体を頼んで費用を払うのは、実家の所有者です。相続人が数人いて遺産分割が済んでいないときは、実家は全員の共有で(民法第898条)、解体は共有物に変更を加える行為になり得るため、他の共有者の同意が要ります(第251条第1項)。費用の足しになる補助金は、国の空き家対策総合支援事業を土台に市区町村が設けていて、確認した神戸市・大阪市・広島市は、いずれも契約より前の申請が条件でした。この記事では、費用の決まり方、自分の場合、誰が払うか、補助金、払えないときの手段、頼む前に済ませることを、法令と自治体の公式ページで整理します。

1. 実家の解体費用は、何で決まりますか

解体費用は、坪数×単価といった計算式で出され、単価は建物の造り(木造、プレハブ造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造)や築年数で変わる、と解体工事比較ナビの公式ページは説明しています。自治体の補助制度や法令の書き方からは、費用に関わる項目が次のように読み取れます。

解体費用に関わる項目

項目内容出どころ
構造・築年数建物の造りによって坪単価を求める式が変わり、築年数も価格を決める基準になります解体工事比較ナビ公式ページ
広さ補助金の算定も、延べ面積(㎡)に単価を掛ける形です広島市、大阪市
付帯工事神戸市は、空き家と敷地内の附属する建物、道に面する門・塀類、車庫・カーポート、立木竹等を全て解体除却することを補助の条件にしています。母屋のほかに壊すものがないか、数えておきます神戸市
家の中の荷物大阪市は、建物内の残存物の撤去費等を補助の対象外としています。荷物の片付けは、解体工事とは別の費用として考えます(実家を片付ける前に確かめること)大阪市
見積もりの中身人件費・機材費・廃棄物処理費などが含まれますが、含まれる内容は業者によって異なります解体工事比較ナビ公式ページ
法令上の届出建築物の解体工事は、床面積の合計が80㎡以上のとき、発注者が工事に着手する日の7日前までに都道府県知事へ届け出ます建設リサイクル法第10条、同施行令第2条

「相場」の数字は、公的機関が公表しているものを確認できていません。公的資料に載っているのは、補助金を計算するときの単価です。これは補助の上限を決める計算上の基準で、実際の工事費は見積もりで決まります。

補助金の算定に使われる単価(市場の相場ではありません)

制度算定の考え方上限
広島市 老朽危険空家等除却補助次のうち低い額。除却工事費の3分の1、または国が定める標準除却費(木造36,000円、非木造51,000円)×延べ面積(㎡)×8/1050万円
大阪市 狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度(対策地区)解体および整地の契約金額と、市が定める額(戸建住宅27,000円/㎡)の低い方の1/2以内戸建住宅105万円/戸
神戸市 老朽空家等解体補助解体する空き家の登記床面積または課税床面積の区分で決まる定額です20万円(30㎡未満)〜60万円(80㎡以上)。3戸以上の寄宿舎・共同住宅で100㎡以上は最大100万円

各市の令和8年度(2026年度)の制度です。あなたの市区町村の制度とは別なので、額は目安になりません。

参考として、解体工事比較ナビの公式ページには、紹介先で行われた一戸建ての解体実績が、工事総額と対象面積つきで載っています。

公式ページに載る一戸建ての解体実績

構造工事総額対象面積
木造63万3,000円83㎡(25.1坪)
木造84万7,000円101㎡(30.6坪)
鉄骨造132万6,000円78㎡(23.6坪)
鉄骨造150万9,000円124㎡(37.51坪)
鉄筋130万5,000円70㎡(21坪)
鉄筋120万3,000円92㎡(27.8坪)

掲載された実績の一部です。付帯工事や荷物の片付けを含むかどうかは、公式ページに記載がありません。あなたの実家の金額は、見積もりで確かめます。

2. 自分の場合、まず何を確かめますか

自分に近い行から見てください。

状況ごとの、最初に確かめること

あなたの状況確かめること
木造の実家補助金の対象になる建築年や状態は、市区町村で違います。神戸市は1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた腐朽・破損のある空き家、大阪市は地区ごとに昭和25年以前または昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅です。市区町村の公式サイトで、空き家や建築指導の担当ページを探します
鉄骨造・鉄筋コンクリート造の実家広島市の標準除却費は、木造より非木造のほうが高く設定されています(木造36,000円/㎡、非木造51,000円/㎡)。構造によって単価が変わるため、見積書に構造が書かれているかを見ます
遠方の実家神戸市は、補助金の窓口を予約制にしており、申請手続きは代行者へ委任できます(委任状が必要です)。遠方でも進められるかは、市区町村の窓口に聞きます
相続人が複数遺産分割の前は全員の共有で、解体には全員の同意が要ります。広島市の補助も、所有者が複数いるときは他の所有者全員の除却工事の同意が条件です。次の節で整理します
売る予定解体してから売るか、建物を残して売るかで、税金が変わります(空き家の解体費用の確定申告と、更地で売るか現状で売るか、3,000万円特別控除)
貸す・自分で使う予定解体せずに使うなら、解体費用は要りません。建物を取り壊すと、固定資産税の住宅用地の特例が外れます(固定資産税の記事)
相続放棄を考えている放棄の前に解体すると、単純承認とみなされるおそれがあります。相続放棄しても空き家の解体費用は払うかで先に確かめます

3. 実家の解体費用は、誰が払いますか

解体を依頼して費用を払うのは、実家の所有者です。相続人が数人いるときは、遺産分割が済むまで相続財産は全員の共有になり、各人の持分は法定相続分で決まります(民法第898条)。共有物の管理の費用は、各共有者が持分に応じて負担します(第253条第1項)。ただし、解体は建物をなくす行為なので、共有物に変更を加えるものとして、他の共有者の同意が要ります(第251条第1項)。

相続のどの段階かで変わる、解体の判断と費用

段階解体の判断費用の負担
遺産分割の前共有者全員の同意が要ります(民法第251条第1項)。所在が分からない共有者がいるときは、裁判所の裁判で、他の共有者の同意で変更を加えられる場合があります(第251条第2項)持分に応じて分担します(第253条第1項)。誰が立て替えて後で精算するかを、書面に残します
遺産分割で、1人が実家を取得した取得した人が所有者として決めます取得した人が払います。分け方を決めるときに、解体費用を見込んで他の遺産とのバランスを考える方法もあります
全員が相続放棄をした・放棄を考えている放棄の前の解体は、単純承認とみなされるおそれがあります放棄した人が解体費用を負担するかは、相続放棄しても空き家の解体費用は払うかで整理しています

解体せずに放置したときにも、所有者の責任は残ります。空家法は、空家等の所有者等に、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理する努力を求めています(第5条)。市町村長は、管理が適切でなく放置すると特定空家等になるおそれのある「管理不全空家等」の所有者に、措置の指導と勧告ができます(第13条)。特定空家等には、除却を含む措置の助言・指導、勧告、命令ができ、命じた措置が履行されないときは行政代執行に進みます(第22条)。

家族で合意した内容は、書面に残す:誰が業者と契約するか、費用をどう分けるか、補助金を誰の名義で申請するかを、解体の前に相続人全員で決めておきます。兄弟のうち反対する人がいるときの進め方は、兄弟で相続した実家を売るにはにあります。

4. 実家の解体に使える補助金は、どこで探しますか

国土交通省の「空き家対策総合支援事業」(令和8年度当初予算)は、空家法の空家等対策計画に基づいて、市区町村が行う空き家の除却・活用の取組を支援するものです。補助対象に「空き家の除却」があり、特定空家等の除却や、跡地を地域活性化のために計画的に利用する除却等が挙げられています。空き家の所有者が実施する場合の補助割合は、国2/5、地方公共団体2/5、所有者1/5と示されています。この事業は市区町村向けの支援なので、所有者への補助の有無・額・条件は、市区町村が決めます。

確認した3市の解体補助(2026年度)

市対象の空き家補助の額申請の条件
神戸市1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた、腐朽・破損のある空き家20万〜60万円(登記床面積または課税床面積で決まる。3戸以上の寄宿舎・共同住宅で100㎡以上は最大100万円)申請前に解体工事の契約や着手をしていると対象外です。受付は2026年3月2日から2027年1月12日まで、先着順で、2026年9月末時点で予算上限額の64%に達しています
大阪市狭あい道路沿道の古い木造住宅(対策地区は昭和25年以前、重点対策地区は昭和56年5月31日以前の建築)対策地区は1/2以内で戸建105万円まで、重点対策地区は4/5以内で戸建170万円まで工事着手予定日の40日以上前に申請します(受付は4月1日から12月28日まで)。交付申請前に解体の工事契約をした場合は、原則として補助金を受けられません
広島市老朽化等で危険性が著しく、道路に近接する空き家(市の基準で100点以上)除却工事費の1/3と、標準除却費による計算額の低い方。上限50万円交付決定の前に除却工事の契約をしないこと。所有者が複数いる場合は、他の所有者全員の同意が要ります。予定件数は18件程度です

3市とも、契約や着手より前の申請が条件でした。予算に上限があり、受付が早く終わることがあります。

あなたの市区町村の制度は、市区町村の公式サイトで「市区町村名 空き家 解体 補助」などの語で探します。窓口の名前は、建築指導課、住宅課、空き家対策課など、市区町村で違います。

5. 解体費用を払えないときは、どうしますか

払えないときの手段

手段内容注意
補助金を使う前の節のとおり、市区町村が設けている場合があります契約や着手より前の申請が条件です
空き家の解体資金を使えるローンさいたま市は、埼玉りそな銀行・武蔵野銀行・埼玉縣信用金庫・城北信用金庫の空き家関連ローンを紹介しており、解体資金を融資の用途に挙げた商品があります商品ごとに対象者や使い道が違います。賃貸目的を含む事業用の物件に伴う費用は取り扱えない、と注記された商品もあります
建物を残したまま売る・買い取ってもらう解体せずに売れば、解体費用を先に払う必要がありません売り方は相続した空き家を売る流れ、査定は相続した不動産の査定の方法にあります。税金の違いは解体費用と確定申告の記事です
費用を見込んで遺産を分ける実家を取得する人が解体費用を負担する前提で、他の遺産の分け方を決めます相続人全員の合意が要ります
土地を国に引き取ってもらう相続した土地の国庫帰属制度は、建物の存する土地は承認申請ができません(相続土地国庫帰属法第2条第3項第1号)建物を解体してから申請する形になります。要件は相続土地国庫帰属制度に向かない土地はにあります

6. 解体を頼む前に、何を済ませておきますか

  1. 補助金の有無を市区町村に確かめる:使うなら、契約より前に申請します。
  2. 相続人全員の同意と、費用の分担を書面にする:名義、立て替える人、精算の方法を決めます。
  3. 家の中の荷物を片付ける:残置物は解体工事とは別の費用になる扱いが、補助金の制度にもあります(大阪市)。放棄を考えているなら、処分の前に実家を片付ける前に確かめることを読みます。
  4. 解体業者の許可や登録を確かめる:解体工事業を営む業者は、建設業の許可か登録を受けている必要がある、と解体工事比較ナビの公式ページは説明しています。
  5. 建設リサイクル法の届出を確かめる:床面積の合計が80㎡以上の解体は、発注者が着手の7日前までに都道府県知事へ届け出ます(第10条、施行令第2条)。受注者は、発注者に届出事項を書面で説明します(第12条第1項)。届出の手順は、見積もりのときに業者へ確かめます。
  6. 解体後、1か月以内に建物の滅失登記を申請する:建物が滅失したときは、表題部所有者または所有権の登記名義人が、滅失の日から1か月以内に申請します(不動産登記法第57条)。名義が亡くなった方のままのときの扱いは、法務局に確かめます。

よくある質問

実家の解体費用の相場は、いくらですか?

公的機関が公表している市場の相場は、確認できていません。公的資料に載っているのは、補助金の算定に使う単価で、広島市は国が定める標準除却費として木造36,000円/㎡・非木造51,000円/㎡、大阪市は戸建住宅27,000円/㎡を使っています。実際の工事費は、構造・広さ・付帯工事・荷物の量で変わるため、見積もりで確かめます。

補助金は、解体したあとに申請できますか?

確認した神戸市・大阪市・広島市は、いずれも契約や着手より前の申請が条件で、先に契約すると対象外になります。

兄弟の1人が解体に反対しているとき、解体できますか?

遺産分割の前は全員の共有で、解体には他の共有者の同意が要ります(民法第251条第1項)。反対する人がいるときは、遺産分割で実家を誰が取得するかを先に決めます。進め方は兄弟で相続した実家を売るにはにあります。

解体せずに放置すると、どうなりますか?

空家法は、所有者等に適切な管理に努めることを求めています(第5条)。管理不全空家等や特定空家等になると、市町村長から指導や勧告を受け、特定空家等では除却を含む措置の命令や、行政代執行に進む場合があります(第13条・第22条)。

参考・出典

実家を売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます

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