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相続土地国庫帰属制度は、建物がある土地、担保権や使用収益権が設定された土地、境界が明らかでない土地などは申請できず(法第2条第3項)、申請できても、崖・地上の工作物や樹木・地下の埋設物・隣地との争いがある土地などは承認されません(法第5条第1項)。申請できるのは、相続や遺贈で土地を取得した人に限られ、売買で買った土地だけの人は対象外です(法第2条第1項)。向かない土地は、売る、買い取ってもらう、管理を続ける、のどれかで考えることになります。
土地の状況別の確かめ方
| 土地の状況 | 国庫帰属の可否 | 根拠 |
|---|---|---|
| 実家の建物が建っている土地 | 申請できない(建物の存する土地) | 法第2条第3項第1号 |
| 更地・建物なし | 要件を確かめられる | 法第2条第3項・第5条第1項 |
| 人に貸している土地・抵当権がついた土地 | 申請できない(担保権や使用収益権が設定された土地) | 法第2条第3項第2号 |
| 境界があいまいな土地・所有権に争いがある土地 | 申請できない | 法第2条第3項第5号 |
| 急な斜面(崖)がある土地 | 勾配30度以上かつ高さ5メートル以上の崖で、管理に過分の費用や労力がかかるものは承認されない | 法第5条第1項第1号・施行令第4条第1項 |
| 木・古い工作物・車両が残る土地 | 通常の管理や処分を妨げるものがあれば承認されない | 法第5条第1項第2号 |
| 共有の土地 | 共有者全員の共同申請が必要 | 法第2条第2項 |
| 売買で買った土地 | 単独では申請できない | 法第2条第1項 |
建物がある実家の土地は、そのままでは申請できません。建物ごと売るなら相続した実家を売却すると税金はいくらか、建物の取壊しが必要なら空き家を解体して売るときの3,000万円特別控除で、費用と特例を確かめられます。
次のいずれかに当たる土地は、承認申請ができません(法第2条第3項)。
承認申請ができない土地(法第2条第3項・施行令第2条)
| 号 | 土地 |
|---|---|
| 1 | 建物の存する土地 |
| 2 | 担保権または使用及び収益を目的とする権利が設定されている土地 |
| 3 | 通路その他の他人による使用が予定される土地として政令で定めるものが含まれる土地。政令は、現に通路の用に供されている土地、墓地内の土地、境内地、現に水道用地・用悪水路・ため池の用に供されている土地を挙げる |
| 4 | 土壌汚染対策法の特定有害物質(法務省令で定める基準を超えるもの)により汚染されている土地 |
| 5 | 境界が明らかでない土地その他の所有権の存否、帰属または範囲について争いがある土地 |
申請できる人は、相続または遺贈(相続人に対する遺贈に限る)で土地の所有権または共有持分を取得した人です。共有の土地は、共有者全員が共同して申請します。共有者の中に、相続等以外の原因で持分を取得した人がいても、相続等で取得した共有者と共同すれば申請できます(法第2条第1項・第2項)。
法務大臣は、承認申請に係る土地が次のいずれにも当たらないと認めるときに、承認をします(法第5条第1項)。次のどれかに当たる土地は、承認されません。
承認されない土地(法第5条第1項・施行令第4条)
| 号 | 土地 |
|---|---|
| 1 | 崖がある土地のうち、通常の管理に過分の費用や労力がかかるもの。崖は、勾配が30度以上で、高さが5メートル以上のもの |
| 2 | 土地の通常の管理や処分を妨げる工作物、車両、樹木その他の有体物が地上にある土地 |
| 3 | 除去しなければ土地の通常の管理や処分ができない有体物が地下にある土地 |
| 4 | 隣接地の所有者などとの争いなしには通常の管理や処分ができない土地。他の土地に囲まれて公道に通じない土地で通行が妨げられているもの、使用や収益が現に妨害されている土地(程度が軽微なものを除く) |
| 5 | 上のほか、通常の管理や処分に過分の費用や労力がかかる土地。災害が発生するおそれがある土地、鳥獣・病害虫による被害が生じるおそれがある土地、森林で市町村森林整備計画に適合させるための追加の造林・間伐・保育が必要な土地、国が国庫帰属後に通常の管理費以外の金銭債務を負う土地など |
承認の審査では、職員が現地を調査し、申請者から事情を聴いて資料の提出を求めることがあります(法第6条)。法務局は、申請があったことを、隣接する土地の所有者に通知します。通知書には、土地の位置・範囲を示す図面や境界点の写真の写しが添えられます(施行規則第13条)。
偽りその他不正の手段で承認を受けたことが分かったときは、承認が取り消されることがあります(法第13条第1項)。
承認の時に、申請できない事由や承認されない事由があったことで国に損害が生じた場合に、承認を受けた人がその事由を知りながら告げずに承認を受けたときは、国に対して損害を賠償する責任を負います(法第14条)。土地の状況は、申請書の記載や写真とずれがないよう、現地を見て確かめます。
負担金を納めた時点で、土地の所有権は国庫に帰属します(法第11条)。あとから取り戻すことはできないので、売る・買取に出す場合と比べてから申請します。
手放し方の比べ方
| 手放し方 | 費用・手元に入るお金 | 向く土地・条件 |
|---|---|---|
| 相続土地国庫帰属制度 | 審査手数料14,000円+負担金20万円〜。手元にお金は入らない(費用の計算) | 建物がなく、法の要件をすべて満たす土地。相続等で取得した人 |
| 売る(仲介・買取) | 売れれば売却額が入り、譲渡所得の税金がかかりうる(税金の計算)。仲介は買い手が見つかるまで時間がかかる | 建物付きの土地、貸している土地など、国庫帰属に出せない土地も対象になる |
| 業者に直接買い取ってもらう | 査定額を見て決める。仲介と違い、業者が直接買い取る | 買い手が付きにくい土地や、他の方法で手放せなかった土地 |
| 相続放棄 | 家庭裁判所に申述する手続。土地だけでなく、相続財産すべてを手放す選択になる(相続放棄は自分でできるか) | 遺産全体で見て、相続しないほうがよい場合 |
売ったときの税金や特例は相続した土地を売却すると税金はいくらかで、再建築不可など売りにくい不動産の売り先は再建築不可の実家は売れるかで確かめられます。
建物の存する土地は、承認申請ができません(法第2条第3項第1号)。建物を取り壊して更地にしたうえで、要件を確かめます。取壊し費用は別にかかります。
管轄の法務局は、承認申請があったとき、申請に係る土地に隣接する土地の所有者に通知書を送ります。土地の位置と範囲を示す図面と、境界点を示す写真の写しが添えられます(施行規則第13条)。
審査手数料は、納付後は返還されません(施行規則第5条第2項)。申請前に、法の要件を一つずつ確かめます。
建物のある土地や貸している土地など、国庫帰属に出せない土地も、売ることはできます。売れるかどうか、いくらになるかは、査定で確かめます。
土地やマンションを売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます
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