相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
申告・手続き 2026年10月28日 読了 約10分

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相続税の更正の請求の書き方|期限5年・4か月、記載例と添付書類、出したあとの流れ

相続税の更正の請求は、申告した税額が多すぎたときに、税務署長へ「更正の請求書」を出して税額を直してもらう手続きです。期限は2種類あります。評価や控除の誤りなど計算の誤りは、法定申告期限から5年以内(国税通則法第23条)。遺産分割・遺留分侵害額の確定・遺言書の発見などは、それを知った日の翌日から4か月以内です(相続税法第32条)。書き方は、国税庁の様式の記載要領に、欄ごとの記入方法と記載例があります。請求書の「4.更正の請求をする理由」には、たとえば「相続税の課税価格のうち、○○市○○町○番地所在の家屋について○○,○○○円の評価誤りがあった」のように書きます。添付するのは、請求の理由の基礎となる事実を証明する書類です。出したあとは、税務署長が調査して、更正をするか、更正をすべき理由がない旨を通知します。この記事では、期限、欄ごとの書き方、添付書類と出し方、請求後の流れを整理します。

1. 更正の請求は、いつまでにできますか

請求できる期限は、理由によって分かれます。

更正の請求の理由ごとの期限

請求する理由期限根拠
申告した税額の計算が法令に従っていなかった、または計算に誤りがあった(評価誤り・控除の漏れなど)法定申告期限から5年以内国税通則法第23条第1項、国税庁 B1-27
申告のとき分割されていなかった財産が、その後に分割された分割のあったことを知った日の翌日から4か月以内相続税法第32条第1項第1号
認知・相続人の廃除やその取消しの裁判の確定、相続の放棄の取消しなどで、相続人に異動を生じた事由を知った日の翌日から4か月以内同第2号
遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定した同上同第3号
遺贈に係る遺言書が発見された、または遺贈の放棄があった同上同第4号
権利の帰属に関する訴えの判決があった、条件付遺贈の条件が成就した、など同上国税庁「相続税の申告のしかた」の更正の請求の事由の一覧

法定申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月目の日です(国税庁 No.4205)。5年は、申告書を出した日ではなく、この法定申告期限から数えます。

国税通則法第23条第2項には、計算の基礎となった事実に関する判決で事実が異なることが確定したときなど、判決の確定した日の翌日から2か月以内とする別の定めもあります。国税庁の手続案内(B1-27)は、後発的理由などによる請求は「それらの事実が生じた日の翌日から2か月又は4か月以内」と案内しています。どの期限に当たるか迷うときは、税務署に確かめてください。

期限の日付と、戻る額の目安は更正の請求の計算ツールで出せます。戻る場合の仕組みは相続税の還付とはにまとめました。

2. 自分の場合は、どの理由で、何を書きますか

請求書の「4.更正の請求をする理由」に書く内容は、理由ごとに違います。自分に近い行から見てください。

状況ごとの、理由欄の書き方と期限

あなたの状況「4.理由」の書き方期限
自分で申告したが、評価や控除に誤りがあった国税庁の記載例のとおり、誤った財産と金額を具体的に書く。例:「相続税の課税価格のうち、○○市○○町○番地所在の家屋について○○,○○○円の評価誤りがあった」法定申告期限から5年以内
税理士に頼んで申告したが、誤りが見つかった書き方は上と同じ。請求書には税理士署名の欄がある。誤りの内容と金額を、申告書の控えと照らして書く法定申告期限から5年以内
申告のあとで遺産が分割された分割により取得した財産の課税価格が、法定相続分で計算した課税価格と異なることとなった旨を、相続税法第32条第1項第1号に沿って書く分割を知った日の翌日から4か月以内
遺留分侵害額を払うことが確定した遺留分侵害額の請求に基づき支払うべき金銭の額が確定した旨を、同第3号に沿って書く確定を知った日の翌日から4か月以内
申告のあとで遺言書が見つかった遺贈に係る遺言書が発見された旨を、同第4号に沿って書く発見を知った日の翌日から4か月以内

2行目以降の理由欄の書き方は、法律の事由の文言に沿った書き方の例です。国税庁の記載例は、1行目の評価誤りの例文です。

評価誤り以外の、払いすぎの主な原因は相続税の還付とはの表にあります。自分で申告して間違えたときの修正申告との使い分けは相続税申告を自分でして間違えたときに、遺留分は遺留分を払った・受け取った場合の相続税に、遺産分割は未分割のまま申告する方法にあります。

3. 更正の請求書の欄は、どう埋めますか

国税庁の様式「相続税の更正の請求書(令和5年1月分以降用)」の記載要領等に沿って、欄ごとに整理します。

相続税の更正の請求書の欄と、書くこと

欄書くこと(国税庁の記載要領)
提出先・提出日提出先は税務署長。相続税法第32条は、納税地の所轄税務署長に請求するものと定めている
あなたの住所・氏名・個人番号住所(納税地)、氏名、個人番号(12桁)を書く。控えを保管するときは、控えには個人番号を書かない、複写で控えを作るときは個人番号部分が複写されない措置をとるなど、個人番号の扱いに注意する
1.更正の請求の対象となった申告又は通知の区分、申告書提出年月日又は事由を知った日記載例は「相続税申告書」「相続税決定通知書」のいずれかと、令和何年何月何日。後発的な事由による請求は、請求のできる事由の生じたことを知った日を書く
2.申告又は通知に係る税額及び更正の請求による課税標準等又は税額等請求書には「次葉のとおり」と印字されている。次葉「申告又は通知に係る税額及び更正の請求による課税標準等又は税額等(相続税)」に、申告した額と、請求後の額を書く。請求の内容に応じて、付表1から付表7までが用意されている
3.添付した書類添付した書類の名称を書く
4.更正の請求をする理由請求理由を書く。例:「相続税の課税価格のうち、○○市○○町○番地所在の家屋について○○,○○○円の評価誤りがあった」
5.更正の請求をするに至った事情の詳細、その他参考となるべき事項請求をするに至った事情を詳細に書くほか、参考となるべき事項も書く
6.還付を受けようとする銀行等預貯金口座への振込みを希望するときは、銀行等の名称、預金種類、口座番号等を書く(本人名義の口座に限る)。ゆうちょ銀行の口座は貯金総合通帳の記号番号、窓口で受け取るときは受取りに行く郵便局名を書く
税理士署名税理士に頼んで出すときの署名の欄がある

国税庁の様式ページ(相続税の更正の請求書・令和5年1月分以降)の記載要領等(令和8年8月)と様式の原文から、欄の名称と書き方を整理しました。

法律も、請求書に書くことを定めています。国税通則法第23条第3項は、請求に係る更正後の課税標準等又は税額等、更正の請求をする理由、請求をするに至った事情の詳細、請求に係る更正前の納付すべき税額及び還付金の額に相当する税額、その他参考となるべき事項を記載した更正請求書を税務署長に提出するよう定めています。

4. 添付書類と、出し方は、どうなりますか

添付書類:国税庁の手続案内(B1-27)は、更正の請求の理由の基礎となる事実を証明する書類等を添付するよう案内しています。記載要領の注も、取引の記録等に基づいて請求の理由の基礎となる事実を証明する書類を添付する必要がある、としています。何を添付するかは請求の理由で変わります。

出し方:国税庁の案内では、相続税の更正の請求は、パソコンからe-Taxソフトをダウンロードし、請求書等を作成したうえで、添付書類(PDFファイル)と併せて提出します。請求の内容によってはe-Taxを使えない場合があり、その場合は書面で請求書等を作成し、持参または送付で出します。

請求書は、納税申告書を提出した人が出します(国税通則法第23条第1項)。土地の評価や小規模宅地等の特例が理由のときは、土地の評価と小規模宅地等の特例の記事で、評価の手順と要件を確かめられます。

5. 出したあとは、どう進みますか

  1. 調査と通知。税務署長は、更正の請求があると、請求に係る課税標準等又は税額等について調査し、更正をするか、更正をすべき理由がない旨を、請求をした人に通知します(国税通則法第23条第4項)。
  2. 減額の更正と還付。納め過ぎがあると認められると、減額の更正があり、税金が還付されます。更正の請求をした人にその内容が通知されます(国税庁 No.2026)。還付金には、還付加算金が付きます。割合と計算は相続税の還付とはにあります。
  3. 納税は止まりません。更正の請求があっても、税務署長は、請求に係る納付すべき国税の徴収を猶予しません。ただし、税務署長が相当の理由があると認めるときは、全部または一部を猶予できます(同条第5項)。まだ納めていない相続税があるときは、請求の結果を待たずに納期限までに納めます。
  4. 通知の内容に不服があるとき。国税に関する処分に不服があるときの不服申立ては、再調査の請求か、国税不服審判所長への審査請求を選べます(国税通則法第75条第1項)。期限は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月です(第77条第1項)。どの通知が対象になるかは、通知書に添えられた案内か、税務署で確かめます。

請求の結果、更正すべき理由がないと通知されることもあります。反対に、申告した税額が少なかったと分かったときは、更正の請求ではなく修正申告で直します。計算は相続税の修正申告の計算ツールにあります。

よくある質問

相続税の更正の請求は、いつまでにできますか?

申告した税額の計算に誤りがあったときは、法定申告期限から5年以内です(国税通則法第23条第1項)。遺産分割・遺留分侵害額の確定・遺言書の発見などは、その事由を知った日の翌日から4か月以内です(相続税法第32条)。

更正の請求書は、自分で書けますか?

納税申告書を提出した人が、税務署長に出せます(国税通則法第23条第1項)。国税庁の様式には記載要領等があり、欄ごとの書き方と記載例が示されています。税理士に頼んで出すときは、税理士署名の欄があります。

更正の請求書には、何を添付しますか?

請求の理由の基礎となる事実を証明する書類等です(国税庁 B1-27)。遺産分割が決まったあとに配偶者の税額軽減を受ける場合は、戸籍謄本等のほか、遺言書の写しや遺産分割協議書の写し、相続人全員の印鑑証明書などです(国税庁 No.4158)。

更正の請求をすれば、必ず税金が戻りますか?

戻るとは限りません。税務署長は、請求について調査し、更正をするか、更正をすべき理由がない旨を通知します(国税通則法第23条第4項)。

更正の請求をしている間も、相続税は納めますか?

更正の請求があっても、税務署長は納付すべき国税の徴収を猶予しません。ただし、相当の理由があると認めるときは、全部または一部を猶予できます(国税通則法第23条第5項)。

更正の請求は、e-Taxで出せますか?

国税庁の案内では、e-Taxソフトで請求書等を作成し、添付書類(PDFファイル)と併せて提出できます。請求の内容によってはe-Taxを使えない場合があり、その場合は書面で持参または送付します。

参考・出典

戻る税額と、更正の請求ができる期限は、計算ツールで確かめられます

更正の請求の期限と戻る税額を計算する →
運

相続税計算機 運営事務局

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