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相続税が払えなくなるのは、おもに、遺産が自宅や土地に偏って現金が少ない場合、遺産の分け方が決まらないまま納期限が来る場合、生前の贈与が加算されて税額が想定より増える場合です。亡くなる前にできる準備として、相続税の概算を先に出す、納税に回せる現金を見込む、生命保険の死亡保険金の非課税枠を使うなどがあります。死亡保険金は、受取人が相続人なら、500万円×法定相続人の数までが非課税です(国税庁 No.4114)。この記事では、払えなくなる理由、自分の場合の確かめ方、生命保険の非課税枠、そのほかの準備を、国税庁の原文で整理します。
払えなくなる理由と、先にできること
| 理由 | なぜ起きるか | 先にできること |
|---|---|---|
| 遺産が不動産に偏り、現金が少ない | 国税庁の令和6年分の相続税の申告事績では、相続財産の金額のうち、土地と家屋の合計が約35%、現金・預貯金等が約35%、有価証券が約18%でした(相続税額のある申告書の平均。個々の家庭は違います) | 納税に回せる現金を見込み、足りなければ売る不動産や延納を考えておく |
| 分け方が決まらないまま納期限が来る | 分割されていなくても、申告期限は延びません。民法の相続分で分けたものとして申告・納税し、小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減が使えない申告になります(国税庁 No.4208) | 遺言書で分け方を決めておく |
| 生前の贈与が加算される | 相続開始前の一定期間に暦年課税で贈与を受けた財産は、相続税の課税価格に加算されます。基礎控除額110万円以下の贈与も加算の対象です(国税庁 No.4161) | 贈与の時期と金額を、加算の期間に照らして考える |
| 1人の相続人に納税が集中する | 不動産を取得する人と、現金を取得する人が分かれると、現金のない人が税額を払えなくなります | 誰がいくら納めるかを、分け方と合わせて決める |
国税庁 令和6年分 相続税の申告事績の概要、No.4208・No.4161。
払えなかったときの流れは相続税が払えないとどうなるに、払えないときの手段は相続税の延納と物納の要件と手続きにまとめました。
状況ごとの、先にすること
| あなたの状況 | 先にすること | 次に読む記事 |
|---|---|---|
| 財産の中心が自宅と土地 | 相続税の概算を計算機で出し、納税に回せる現金を見込みます。足りない分は、売る不動産の候補か延納を考えます | 不動産を売って相続税を払う |
| 相続人が複数で、分け方が不安 | 遺言書で分け方を決めておきます。決まらないと、小規模宅地等の特例と配偶者の税額軽減が使えない申告になります | 遺言書の種類と書き方のポイント |
| 家族に生命保険をかけている・かけたい | 死亡保険金の非課税枠は、500万円×法定相続人の数です。納税資金として使える現金になります | この記事の続き |
| 子や孫に生前贈与をしている | 贈与した財産が、相続税に加算されないかを確かめます | 生前贈与 vs 相続 比較計算機 |
| どこから手を付けてよいか分からない | 財産の一覧を作り、概算の相続税と、現金で払える額を並べます | 相続財産の調査方法と財産目録の作り方 |
概算は相続税かんたん計算機で出せます。申告が要るかどうかの目安は、国税庁の「相続税の申告要否判定コーナー」でも確かめられます。
被相続人の死亡で受け取る生命保険金で、保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続で取得したものとみなされ、相続税の課税対象になります。受取人が相続人の場合は、すべての相続人が受け取った保険金の合計が、次の非課税限度額を超える部分が課税対象です(国税庁 No.4114)。
法定相続人の数ごとの、非課税限度額
| 法定相続人の数 | 非課税限度額 |
|---|---|
| 1人 | 500万円 |
| 2人 | 1,000万円 |
| 3人 | 1,500万円 |
| 4人 | 2,000万円 |
国税庁 No.4114。法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、放棄がなかったものとした数です。法定相続人の中に養子がいる場合、数に含める養子は、実子がいるときは1人、いないときは2人までです。
非課税枠を超えた部分や、仕組みの詳細は生命保険の死亡保険金は相続税の対象?にあります。
受取人が相続人の場合に使えます。相続人以外の人が受け取った死亡保険金には、非課税の適用がありません(国税庁 No.4114)。
500万円×3人=1,500万円です。相続の放棄をした人がいても、放棄がなかったものとした数で計算します。
相続放棄をすると、その人は相続人でなくなります。保険金の受け取りなど、取得する財産の内容で扱いが変わるため、判断は専門家に相談する方法があります。
売却代金が現金として残れば、相続のときの納税資金になります。一方、売却益には所得税などがかかる場合があります。売る時期と手取りは、売却の条件で変わります。
税理士によって、扱う業務が違います。紹介を受けるときに、生前の相談をしたいことを伝えて、対応できるかを確かめます。
遺産の額から、相続税がいくらになるかを先に計算できます
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