相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
手続き 2026年5月5日 読了 約8分

相続財産の調査方法と財産目録の作り方【見落としやすい財産チェックリスト】

相続手続きの第一歩は財産の全容を把握することです。 財産目録を作成することで、相続放棄の判断・相続税申告・遺産分割協議の根拠となる正確な財産リストが揃います。 預貯金・不動産・有価証券の調査方法と、ゴルフ会員権・仮想通貨など見落としやすい財産のチェックリストを解説します。

1. 財産目録が必要な理由

相続が発生すると、まず「プラスの財産とマイナスの財産(債務)の総額」を把握する必要があります。 財産目録はその一覧表であり、以下の3つの場面で必須の基礎資料になります。 国税庁の統計によると、2022年に相続税の申告があった被相続人は約15万人で、課税された割合は死亡者全体の約9.6%です。

財産の把握が遅れるリスク: 相続放棄の3か月の期限を過ぎると、債務も含めてすべてを相続したとみなされます。 相続が発生したら速やかに財産調査を始めることが重要です。

2. 預貯金の調査方法

まず遺品(通帳・カード・郵便物)から取引のある銀行を特定します。 通帳が見つからない銀行があっても、金融機関本店や所轄の国税局に照会できる「残高証明書」の 取得手続きがあります。

残高証明書の取得手続き

  1. 銀行の窓口または郵送で申請
  2. 必要書類:被相続人の死亡がわかる戸籍謄本・相続人であることを証明する書類・印鑑証明書・申請者の本人確認書類
  3. 手数料:1通数百〜1,000円程度
ゆうちょ銀行は一元照会が可能: ゆうちょ銀行は「貯金照会」サービスで全国の貯金を一度に調べられます。 複数の普通銀行の場合は各行ごとに個別手続きが必要です。

取引履歴の開示請求も可能です。生前に不自然な引き出しがないか確認すると、 名義預金や使途不明金の問題を早期に把握できます。

3. 不動産の調査方法

不動産は以下の3つの書類を組み合わせて全容を把握します。

不動産調査に使う書類

書類取得先確認できること
固定資産税納税通知書遺品の中に毎年届く課税対象の不動産の一覧(市区町村ごと)
名寄帳(なよせちょう)市区町村の税務課その市区町村内の全不動産を一覧確認できる
登記事項証明書(登記簿謄本)法務局・オンライン申請所有権・抵当権・地番・地積・構造など詳細

名寄帳は無料または低額で取得でき、複数の物件をまとめて確認できるため便利です。 ただし、他の市区町村に不動産がある場合は別途その市区町村で取得する必要があります。

4. 有価証券の調査方法

上場株式や投資信託は証券会社に問い合わせて残高を確認します。 証券会社がわからない場合は、証券保管振替機構(ほふり)の「登録済加入者情報の開示制度」を 利用すると保有口座の有無を調べられます。

5. 生命保険・退職金の確認方法

生命保険

保険証券が見つからない場合は、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を利用できます(有料)。 死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の対象になりますが、 「500万円×法定相続人数」の非課税枠があります。

退職金・死亡退職金

勤務先から支払われる死亡退職金も「みなし相続財産」として相続税の対象です。 死亡後3年以内に支払われたものについては生命保険と同様の非課税枠が適用されます。

6. 見落としやすい財産チェックリスト

以下の財産は存在を忘れやすく、後になって発覚するケースが多いです。 税務調査でも指摘されやすい項目ばかりです。

見落としやすい財産の一覧

財産の種類調査方法・注意点
ゴルフ会員権会員証・年会費の領収書を探す。相続税評価額は取引価格の70%が目安
貸付金・立替金通帳の入出金や契約書で確認。友人・子への貸付けも対象
著作権・特許権登録番号や印税収入の記録を確認。無形財産として評価が難しい
仮想通貨(暗号資産)秘密鍵・ウォレットアプリ・取引所の利用明細を確認。残高証明書は取引所に請求
未収賃料・未収利息賃貸収入がある場合、死亡時点の未収分も財産に含まれる
海外財産海外口座・海外不動産・外貨建て保険など。日本の相続税の対象になる
電子マネー・ポイント一定額以上は財産として申告が必要な場合がある

7. 債務の調査方法

相続財産からは債務(借金・未払い費用)を差し引くことができます。 プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も正確に把握することが重要です。

信用情報機関への照会: 相続人が代理人として申請できます。 申請方法や必要書類は各機関のウェブサイトで確認してください。

参考・出典

相続税計算機 運営事務局

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