相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
不動産の売却 2026年10月28日 読了 約8分

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相続したマンションを売却すると税金はいくら?取得費と減価償却の計算・3,000万円特別控除が使えない理由

相続したマンションを売ったときの税金は、土地と建物をまとめて売った金額から、取得費と譲渡費用を引いた譲渡所得に税率を掛けて決まります(国税庁 No.3202・No.3208)。建物の取得費は、購入代金から所有期間中の減価償却費相当額を引いた額で、鉄筋コンクリート造の住居用なら償却率は0.015です(No.3261)。亡くなった方が住んでいた家を売るときの3,000万円特別控除は、区分所有建物登記がされているマンションには使えません(No.3306)。使える可能性があるのは、相続人自身が住んでいたマンションのマイホーム特例(No.3302)と、相続税を払った人の取得費加算(No.3267)です。

1. 相続したマンションを売ったとき、税金はどう決まりますか

マンションの譲渡所得の計算(国税庁 No.3202・No.3208)

項目中身
収入金額マンション(建物の専有部分と土地の持分)を売った金額
取得費土地の部分は購入代金など。建物の部分は購入代金から、所有期間中の減価償却費相当額を引いた額
譲渡費用仲介手数料、売買契約書の印紙代、借家人に家屋を明け渡してもらうときの立退料など
特別控除額通常は無し。マイホームの3,000万円特別控除など、特例を使うときだけ

課税される譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

税率は、土地と同じです。譲渡した年の1月1日で所有期間が5年を超える長期なら所得税15%・住民税5%、5年以下の短期なら所得税30%・住民税9%です。所有期間は、亡くなった方が取得した日から数えます(No.3208・No.3270)。復興特別所得税として、所得税額の2.1%が別にかかります。実家(戸建て)での計算の流れは相続した実家を売却すると税金はいくらかと同じです。

2. あなたのマンションは、誰が住んでいましたか

住んでいた人で変わる特例

誰が使っていたか使える特例・使えない特例
亡くなった方が住んでいた被相続人の居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除は、区分所有建物登記がされている建物は対象外(No.3306)。取得費加算は、相続税が課税された人なら使える(No.3267)
あなた(相続人)が住んでいたマイホームの3,000万円特別控除の対象になりうる。現に住んでいる家屋のほか、住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る家屋が対象(No.3302)。親子や夫婦など特別の関係の人に売ったものは対象外
貸していたどちらの3,000万円特別控除も、居住の用に供していなければ対象にならない(No.3302・No.3306)。建物の取得費は、事業に使われていた場合の減価償却の計算になる(No.3261)
誰も住まず空いていた3,000万円特別控除の対象にならない。使えるのは取得費加算など

被相続人の居住用財産の特例は、「昭和56年5月31日以前に建築されたこと」「区分所有建物登記がされている建物でないこと」「相続の開始の直前に被相続人以外に居住していた人がいなかったこと」の3つすべてが要件です(No.3306)。マンションは2つ目で外れます。実家(戸建て)の要件は3,000万円特別控除は使えるかにまとめています。

3. 取得費に入る建物の減価償却は、どう計算しますか

建物は、使ったり年数が経ったりすると価値が減るため、取得費は購入代金などの合計額から、所有期間中の減価償却費相当額を引いて求めます(国税庁 No.3261)。土地の部分は減価償却をしません。

事業に使われていなかった建物の減価償却費相当額(No.3261)

建物の構造償却率
木造0.031
木骨モルタル0.034
(鉄骨)鉄筋コンクリート0.015
金属造① 軽量鉄骨造のうち骨格材の肉厚が3ミリメートル以下0.036
金属造② 同、3ミリメートル超4ミリメートル以下0.025

建物の取得価額×0.9×償却率×経過年数=減価償却費相当額。経過年数の6か月以上の端数は1年とし、6か月未満は切り捨て。減価償却費相当額は建物の取得価額の95%が限度。

貸していたマンションのように事業に使われていた建物は、建物を取得してから売るまでの毎年の減価償却費の額を合計します。住んでいた期間と貸していた期間の両方があるときの扱いは、売る前に税務署で確かめてください。

経過年数は、亡くなった方が取得した日から数えます。購入時の売買契約書が見つからず取得費が分からないときは、売った金額の5%を取得費にできます(No.3258・No.3270)。購入価格が分からないときの税金で、5%を使う場合の注意を確かめられます。

4. 3,500万円で売ったとき、税金はいくらになりますか

仮定:亡くなった方が20年前に購入した鉄筋コンクリート造のマンションを3,500万円で売ります。購入時の売買契約書から、土地の部分が1,000万円・建物の部分が2,000万円と分かり、住居として使っていた(事業用ではない)場合です。譲渡費用(仲介手数料など)は120万円とします。

税額の計算例(特例を使わない場合)

段階計算金額
建物の減価償却費相当額2,000万円×0.9×0.015×20年540万円
取得費土地1,000万円+建物(2,000万円-540万円)2,460万円
譲渡所得3,500万円-(2,460万円+120万円)920万円
所得税920万円×15%138万円
復興特別所得税138万円×2.1%2万8,980円
住民税920万円×5%46万円
合計186万8,980円

数字は説明のための仮定です。実際の税額は、売却の条件によって変わります。

この例のように、購入代金が分かるマンションは、売却額の5%(175万円)より実際の取得費(2,460万円)のほうが大きいため、実際の取得費を使います。取得費が売却額の5%を下回るときだけ、5%が有利になります(No.3258)。

5. マンションで使える特例を、順番に確かめられますか

  1. 相続人が住んでいたか:住んでいたなら、マイホームの3,000万円特別控除を確かめます(No.3302)。住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが要件です。
  2. 相続税を払ったか:払ったなら、相続開始の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売ると、払った相続税の一部を取得費に足せます(No.3267)。期限と計算式があります。
  3. 損が出たか:損失は、他の土地や建物の譲渡所得から控除できます。他の所得とは損益通算できません(No.3203)。

特例を使うときも、使わないときも、売った年の翌年に確定申告をします。相続したマンションを売ったら確定申告は必要かで、期限と書類を確かめられます。

よくある質問

築年数が古い(昭和56年以前の)マンションなら、3,000万円特別控除は使えますか?

被相続人の居住用財産の特例は、「昭和56年5月31日以前に建築」と「区分所有建物登記がされている建物でない」の両方が要件です。マンションは区分所有建物登記があるため、築年数にかかわらず対象外です(国税庁 No.3306)。

相続したマンションに自分が住んでいました。3,000万円特別控除は使えますか?

相続人自身が住んでいたマンションは、マイホームを売ったときの特例の対象になりえます。現に住んでいる家屋、または住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売る家屋が対象です(国税庁 No.3302)。

購入したときの金額が分からないときは、どう計算しますか?

売った金額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。5%を使うと、相続人が払った登記費用などは取得費に含められません(No.3270)。

売ったら赤字になりました。他の収入と相殺できますか?

土地や建物の譲渡損失は、他の土地や建物の譲渡所得から控除できますが、事業所得や給与所得などの他の所得とは損益通算できません(国税庁 No.3203)。

参考・出典

土地やマンションを売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます

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