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相続手続きの代行は、手続きの種類ごとに、頼める資格が法律で分かれています。不動産の名義変更(相続登記)の申請は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人同士の争いの代理は弁護士、遺産分割協議書など書類の作成は行政書士にも頼めます。1つの窓口ですべてが済むとは限らないので、「誰が、どの手続きを実施するか」を先に確かめるのが、代行を頼むときの最初の確認です。
各資格の業務は、法律に書かれています。ここでは条文の言葉をそのまま引き、相続の場面に当てはめます。
資格ごとの業務(条文)と、相続の場面
| 資格 | 条文が定める業務 | 相続の場面 |
|---|---|---|
| 司法書士 | 登記又は供託に関する手続の代理、法務局に提出する書類の作成、これらの相談(司法書士法第3条第1項第1〜5号)。司法書士会に入会している司法書士・司法書士法人でない者は、これらの業務を行えない(同法第73条第1項) | 相続登記の申請の代理、法務局に出す書類の作成 |
| 行政書士 | 他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成する(行政書士法第1条の3第1項)。他の法律で制限されている業務はできない(同条第2項) | 遺産分割協議書など書類の作成。日本行政書士会連合会の報酬統計にも「遺産分割協議書の作成」「相続人及び相続財産の調査」の項目がある |
| 税理士 | 税務代理、税務書類の作成、税務相談(税理士法第2条第1項)。税理士・税理士法人でない者は税理士業務を行えない(同法第52条) | 相続税の申告、準確定申告 |
| 弁護士 | 訴訟事件、非訟事件その他一般の法律事務(弁護士法第3条第1項)。当然に弁理士と税理士の事務も行える(同条第2項)。弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事件を扱うことは禁止(同法第72条) | 遺産分割で相続人同士が争っているときの代理 |
登記の申請を行政書士に頼めるか、相続税の申告を司法書士に頼めるか、という疑問の答えもこの表にあります。登記の代理は司法書士法第3条の業務で、司法書士でない者は行えません(第73条)。税務の代理は税理士業務で、税理士でない者は行えません(第52条)。
手続きごとに、頼める先を当てはめます。
手続き別の頼み先
| 手続き | 頼める先 | 補足 |
|---|---|---|
| 不動産の相続登記 | 司法書士 | 法務局は本人申請の手引き(登記手続ハンドブック)も公開している |
| 遺産分割協議書・相続関係説明図の作成 | 行政書士、司法書士(登記に使う書類) | 法務局は遺産分割協議書の作成についての相談に応じないと案内している |
| 預貯金の解約・名義変更の代行 | 司法書士の遺産承継業務、信託銀行の遺産整理など | 日本司法書士会連合会の報酬アンケートに「遺産承継」の項目がある |
| 相続税の申告 | 税理士(弁護士も可) | 相続税の税理士報酬の相場 |
| 相続人同士の争いの調整 | 弁護士 | 代行ではなく、争いの解決が目的の依頼になる |
自分の手続きが「登記だけ」「預貯金と登記」「税の申告まで」のどれかを決めると、頼み先の数が決まります。相続人が1人で争いがなく、不動産が1件で預貯金の口座が少ないなら、司法書士1か所で足りる場合があります。
「相続手続き代行」を名乗るサービスでも、登記の申請や税務の代理を、資格のない者が行うことは条文で禁じられています。実際には、窓口の会社が受け付けて、実施は資格者が行う形になります。
見積もりを受け取ったら、次の3点を書面で確かめます。
確かめる項目の全体は相続手続きの代行を選ぶ基準で整理しています。
窓口をまとめる形は、大きく3つあります。
どの形が安いかは、財産と相続人で変わります。金額の目安は相続手続きの代行費用の相場に並べています。
登記の申請の代理は司法書士法第3条の業務で、司法書士でない者は行えません(同法第73条第1項)。行政書士に頼めるのは、遺産分割協議書など書類の作成です。
税理士又は税理士法人でない者は、税理士業務を行ってはならないと税理士法第52条にあります。相続税の申告は税理士(または弁護士)に頼みます。
弁護士又は弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で一般の法律事件の代理や和解などを扱うことは、弁護士法第72条で禁じられています。争いの調整は弁護士の仕事です。
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