相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
相続の相談先 2026年10月24日 読了 約7分

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相続で揉めているとき、司法書士・行政書士・税理士に頼めること・頼めないこと

相続人同士の間で争いになっているとき、本人に代わって相手と交渉したり、調停や審判に代理人として出たりできるのは、原則として弁護士です。弁護士法第72条は、弁護士でない者が報酬を得る目的で、法律事件について代理・和解などの法律事務を業とすることを禁じています。司法書士は家庭裁判所に出す書類の作成までで、行政書士は書類の作成、税理士は税の申告や税の相談の専門です。争いがないうちは、司法書士や行政書士に手続を頼めますが、争いになったあとは頼める範囲が狭くなります。

1. 条文は、4つの資格に何を認めていますか

資格ごとにできること(e-Gov法令検索の条文)

資格条文のうち、相続の争いに関わる部分争いの場面での意味
弁護士訴訟事件、非訟事件その他一般の法律事務を行うことを職務とする(弁護士法第3条)。弁護士でない者が、報酬を得る目的で、法律事件の鑑定・代理・仲裁・和解などを業とすることは禁止(同法第72条)相手との交渉、調停・審判・訴訟での代理人
司法書士登記の代理、裁判所に提出する書類の作成、これらの相談。簡易裁判所の民事訴訟などの代理は、訴訟の目的の価額が裁判所法第33条第1項第1号の額(140万円)を超えないものに限る(司法書士法第3条)家庭裁判所に出す申立書などの作成。調停や審判の代理は条文に見当たらない
行政書士官公署に提出する書類、権利義務・事実証明に関する書類の作成(行政書士法第1条の3)遺産分割協議書など、争いがないとき合意をまとめる書類の作成
税理士税務代理、税務書類の作成、税務相談(税理士法第2条)。税理士でない者は税理士業務を行えない(同法第52条)相続税の申告、遺産分割が決まらないときの申告の相談

表のとおり、争いの場面で相手との交渉や調停の代理を頼めるのは、条文のうえでは弁護士です。なお、弁護士は当然に税理士の事務も行えます(弁護士法第3条第2項)。

2. 争いになる前と、争いになったあとで、頼める範囲はどう変わりますか

司法統計では、遺産分割事件で終局した15,379件のうち、代理人の弁護士が付いたのは12,336件(80.2%)でした(令和6年)。詳しくは遺産の額別の件数の記事に書いています。

3. 自分の場合は、誰に何を頼めばよいですか

状況ごとに、頼める先を並べます。

状況ごとの頼み先(条文から整理)

状況頼める先補足
相続人全員が分け方に合意している行政書士(協議書)、司法書士(登記)合意の内容を書面にする作業
1人だけ、分け方に反対している弁護士交渉・調停の代理は弁護士。調停の申立て自体は本人でもできる
遺言の内容に納得できない(遺留分)弁護士請求の意思表示・調停・訴訟。自分で請求する手順もある
相続税の申告期限が近い税理士争いがあっても、期限は延びない
戸籍や登記だけが面倒司法書士・行政書士・代行サービス手続きの代行を頼める資格に整理

4. 揉めている最中でも、税理士に頼む必要はありますか

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です(相続税法第27条)。遺産分割で揉めていても、期限は延びません。分割が決まっていなければ、法定相続分で申告し、あとで更正の請求や修正申告をする方法があります。この点は未分割のまま申告する方法と遺留分を払った・受け取った場合の相続税で整理しています。

税の計算は、揉めている相続人同士で決めると食い違いが起きます。申告の担当を税理士にして、遺産分割の交渉は弁護士に任せる、という分け方をする人もいます(筆者の整理です)。

よくある質問

司法書士は、遺産分割の交渉もできますか?

司法書士法第3条には、簡易裁判所の民事訴訟などの代理は、訴訟の目的の価額が140万円を超えないものに限る旨があります。遺産分割の調停や審判の代理は、条文に見当たりません。家庭裁判所に出す書類の作成は、司法書士の業務にあります。

行政書士に、相続人同士の間に入ってもらえますか?

行政書士法第1条の3は、書類の作成を業務としています。報酬を得て相続人同士の交渉を行うことは、弁護士法第72条が弁護士でない者に禁じる法律事務に当たりうるため、頼む前に、行政書士に確かめてください。

弁護士は、相続税の申告もできますか?

弁護士法第3条第2項に、弁護士は当然に税理士の事務を行うことができるとあります。実際に申告まで引き受けるかは、事務所ごとに違います。

参考・出典

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