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遺留分を自分で請求するときの肝は、時効の前に、相手へ「遺留分を請求する」意思を伝えることです。裁判所の公式ページには、家庭裁判所に調停を申し立てただけでは相手方に対する意思表示にならず、内容証明郵便などで意思表示をする必要があると書かれています。意思表示をしないと、相続の開始と遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年で、時効により消滅します(民法第1048条)。意思表示のあと、話し合いで決まらなければ、家庭裁判所の調停を、収入印紙1,200円分と郵便切手で申し立てられます。
遺留分侵害額は、遺留分から、受けた遺贈・贈与の額と取得すべき遺産の額を引き、承継する債務の額を加えて計算します(民法第1046条第2項)。次の設例で式を当てはめます。
計算例(法定の割合を当てはめた設例。実際の額は事情で変わります)
| 項目 | 内容・金額 |
|---|---|
| 設例 | 被相続人に配偶者はなく、相続人は長男と次男の2人。遺言で、全財産(債務を引いたあとで6,000万円)を長男に相続させるとした。生前の贈与はない |
| 次男の遺留分の割合 | 直系尊属のみが相続人ではないので2分の1(民法第1042条第1項第2号)に、次男の相続分2分の1(第900条第4号)を掛けて、4分の1(同条第2項) |
| 次男の遺留分の額 | 6,000万円 × 4分の1 = 1,500万円 |
| 次男が受けた遺贈・取得すべき遺産 | 0円(遺言で全財産が長男へ) |
| 遺留分侵害額 | 1,500万円(第1046条第2項)。長男に対して、この額に相当する金銭の支払を請求できる(同条第1項) |
遺留分を算定するための財産の価額は、相続開始時の財産に、贈与した財産の価額を加え、債務の全額を引いた額です(民法第1043条第1項)。贈与は、原則として相続開始前の1年間のものに限って加えます。相続人への贈与は、婚姻・養子縁組のため、または生計の資本として受けた贈与に限り、10年間のものを加えます(第1044条)。
相続人が配偶者と子のときや、贈与がある場合は、式の各項目が増えます。計算の途中で迷うときは、遺留分侵害額請求とはの計算の節も見てください。
裁判所の公式ページは、遺留分に関する権利を行使する旨の意思表示を、調停の申立てとは別に、内容証明郵便等で行う必要があると説明しています。書面の形式は、条文では決まっていません。書くべき項目は、次の4つが基本です(筆者の整理です)。
金額をどこまで書くか、支払い期限をどう定めるかは、事案によって変わります。時効の前に出す必要があるため、期限が迫っているときは、先に弁護士に相談してください。
遺留分侵害額の請求調停の申立て(裁判所の公式ページ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申立人 | 遺留分を侵害された者(兄弟姉妹以外の相続人)、その承継人(相続人、相続分譲受人) |
| 申立先 | 相手方の住所地の家庭裁判所、または当事者が合意で定める家庭裁判所 |
| 費用 | 収入印紙1200円分。連絡用の郵便切手(額は裁判所ごとに異なる) |
| 申立書 | 申立書とその写し(相手方の数の通数) |
| 添付書類(共通) | 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本、相続人全員の戸籍謄本、遺言書写しまたは遺言書の検認調書謄本の写し、遺産に関する証明書(不動産登記事項証明書、固定資産評価証明書、預貯金通帳の写しまたは残高証明書、有価証券写し、債務の額に関する資料など)、進行に関する照会回答書 |
| その他 | 送達場所等届出書 |
令和元年7月1日より前に被相続人が亡くなった場合は、この調停は申し立てられません。申立前に入手できない戸籍等は、申立後に追加で提出しても差し支えないと書かれています。
調停手続では、当事者双方から事情を聴き、必要に応じて資料を提出してもらい、解決案を示したり、助言をしたりして、話し合いを進めます。このページには、調停が成立しなかったあとの手続の説明はありません。続きは、弁護士に相談して確かめてください。
裁判所の公式ページには、調停の申立てだけでは、相手方に対する意思表示にはならないと書かれています。別に内容証明郵便等で意思表示をする必要があります。
できません。民法第1042条第1項は、遺留分を受けるのを、兄弟姉妹以外の相続人としています。
民法第1049条は、相続の開始前の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、効力を生ずると定めています。
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