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「遺産が少ないから揉めない」とは、統計は言っていません。令和6年に遺産分割事件で調停が成立または認容された7,974件を遺産の額で分けると、1,000万円以下が35.6%、5,000万円以下が42.3%で、合わせて77.9%が遺産5,000万円以下でした。弁護士が代理人についた割合は、遺産が1,000万円以下の事件でも77.7%で、額が大きいほど高くなります。期間は、遺産の額が大きいほど長く、1億円を超える事件では2年を超えるものが約4割ありました。
司法統計年報(令和6年)の、遺産分割事件のうち認容・調停成立となった7,974件を、遺産の価額別に並べます。
認容・調停成立の件数(遺産の価額別・令和6年・全家庭裁判所)
| 遺産の価額 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 2,835件 | 35.6% |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 3,373件 | 42.3% |
| 5,000万円超 1億円以下 | 949件 | 11.9% |
| 1億円超 5億円以下 | 546件 | 6.8% |
| 5億円を超える | 51件 | 0.6% |
| 算定不能・不詳 | 220件 | 2.8% |
| 合計 | 7,974件 | 100% |
最高裁判所の司法統計年報(令和6年)第53表の件数から割合を計算しました。1,000万円以下と5,000万円以下を合わせると6,208件(77.9%)です。この表は調停成立と認容になった事件に限り、取下げなどは含みません。
遺産が大きい家だけが揉めているわけではなく、裁判所で決着した事件の大半は、遺産が5,000万円以下です。相続税がかかるかどうかの基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の範囲に収まる遺産でも、分割で揉めることは珍しくありません。基礎控除は相続税の基礎控除で確かめられます。
同じ7,974件を、代理人の弁護士の有無で見ます。
代理人弁護士の関与(遺産の価額別・認容・調停成立)
| 遺産の価額 | 代理人あり | 代理人なし | あり割合 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 2,204件 | 631件 | 77.7% |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 2,904件 | 469件 | 86.1% |
| 5,000万円超 1億円以下 | 879件 | 70件 | 92.6% |
| 1億円超 5億円以下 | 517件 | 29件 | 94.7% |
| 5億円を超える | 50件 | 1件 | 98.0% |
| 全体(算定不能・不詳を含む) | 6,733件 | 1,241件 | 84.4% |
司法統計年報(令和6年)第53表から計算しました。遺産分割事件の終局全体(15,379件)では、代理人の弁護士が付いたのは12,336件(80.2%)でした(第47表)。
遺産が1,000万円以下でも、約8割で弁護士が付いています。弁護士費用は、遺産の額によって変わります。目安は相続の弁護士費用の相場に書いています。
認容・調停成立までの期間(遺産の価額別・令和6年)
| 遺産の価額 | 1年以内 | 1年超2年以内 | 2年を超える |
|---|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 72.6% | 21.0% | 6.4% |
| 1,000万円超 5,000万円以下 | 57.4% | 30.4% | 12.2% |
| 5,000万円超 1億円以下 | 39.2% | 37.1% | 23.7% |
| 1億円超 5億円以下 | 27.7% | 35.0% | 37.4% |
| 5億円を超える | 9.8% | 33.3% | 56.9% |
| 全体 | 58.3% | 28.2% | 13.5% |
司法統計年報(令和6年)第53表(審理期間別)の件数から割合を計算しました。「2年を超える」は、2年超3年以内と3年を超えるものの合計です。
遺産が大きいほど、1年以内に決着する割合が下がります。1億円を超えると、2年以上かかる事件が約4割(1億円超5億円以下で37.4%)です。不動産など、評価が争点になりやすい財産が含まれるためと考えられますが、統計はその理由までは示していません。
裁判所の公式ページには、遺産分割調停の申立ては、被相続人1人につき収入印紙1200円分で、遺産の額による制限は書かれていません。令和6年も、遺産1,000万円以下の事件が2,835件、認容・調停成立となっています。
相続税の有無と、弁護士に相談できるかは別です。法テラスの無料法律相談の対象にも、相続(遺言・相続放棄など)が挙がっています。
いいえ。令和6年に終局した事件の分布です。個々の事件の期間や弁護士の関与は、遺産の中身や相続人の数で変わります。
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