本記事はアフィリエイト広告(PR)を含みます。掲載しているサービスの情報は2026年10月28日時点で公式サイトから確認したものです。最新の内容は公式サイトをご確認ください。
家族信託の税金は、不動産の名義が受託者に変わるかどうかではなく、誰が受益者かで決まります。親が委託者で受益者でもある場合、信託したときに贈与とみなされる人はいません(筆者の整理です)。子が受益者になる場合は、適正な対価を負担せずに受益者になるため、委託者から贈与により取得したものとみなされます(相続税法第9条の2第1項)。信託した不動産を売ったときの所得も、信託財産の収益と費用は受益者のものとみなされます(所得税法第13条第1項)。この記事では、税金がかかる場面、信託したときの贈与税、信託した不動産を売ったとき、受益者・受託者・帰属権利者・委託者の課税、信託の計算書などの届け出を順に整理します。
家族信託でお金や手続きが動く場面と、税金
| 場面 | 課税される人・税目 | 根拠 |
|---|---|---|
| 信託したとき | 委託者と受益者が違えば、受益者に贈与税。同じなら、贈与とみなされる人はいない(筆者の整理) | 相続税法第9条の2第1項 |
| 不動産を信託したとき | 信託の登記に登録免許税がかかる(額は費用の記事)。委託者から受託者に移す不動産の取得には、不動産取得税が課されない | 地方税法第73条の7第3号 |
| 信託している間 | 賃料などの収益と費用は、受益者のものとして所得税が計算される | 所得税法第13条第1項 |
| 信託した不動産を売ったとき | 売却益は、受益者の譲渡所得として扱われる(筆者の整理) | 所得税法第13条第1項 |
| 受益者が変わる・亡くなったとき | 新たに受益者になった人に、贈与税または相続税 | 相続税法第9条の2第2項 |
| 信託が終わるとき | 残余財産を受け取る人に、贈与税または相続税 | 相続税法第9条の2第4項 |
| 毎年、受託者の届け出 | 信託の計算書、受益者別の調書。税金ではなく、提出する義務 | 所得税法第227条、相続税法第59条第3項 |
条文は e-Gov で2026年10月28日に確認しました。表は条文を読んだ筆者の整理です。
委託者が亡くなったときの相続税は家族信託と相続税にまとめています。
ご自身の信託の形に当てはめると、次のとおりです(筆者の整理です)。
信託の形別に見た、税金と先に確かめること
| ご自身の場合 | 税金 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 親が委託者で受益者。子が受託者になり、自宅だけを信託する | 信託したとき、贈与税はかからない。不動産取得税は課されない(地方税法第73条の7第3号)。信託の登記には登録免許税がかかる | 信託の登記を誰に頼むか(費用の相場) |
| 親が委託者、子が受益者(他益信託) | 子が贈与により取得したものとみなされる(相続税法第9条の2第1項)。1年間の贈与の合計が基礎控除の110万円を超えると、贈与税の申告が要る(国税庁 No.4402) | 贈与税の額は贈与税のガイドと No.4408 の速算表で確かめる |
| 賃貸物件を信託し、親が受益者 | 賃料は親の不動産所得として扱われる(所得税法第13条第1項、国税庁 No.1370)。確定申告は親 | 賃料の入金先の口座と、受託者の収支の記録 |
| 受託者が子で、受益者ではない | 信託財産の収益は受益者のものとみなされるため、受託者であることだけでは課税されない。報酬を受ける定めがあれば、その報酬は子自身の収入 | 報酬を受ける定めの有無(信託法第54条第1項) |
| 信託した自宅を、将来売る予定がある | 売却益は、受益者の譲渡所得として扱われる(所得税法第13条第1項)。売る人(受託者)と、税金を申告する人(受益者)が別になる | 売却代金の使い道と、確定申告を誰が準備するか |
分かれ目は、適正な対価を負担せずに受益者等になる人がいるかどうかです。相続税法第9条の2第1項は、信託の効力が生じた場合に、適正な対価を負担せずに受益者等になる人がいるときは、その人は信託に関する権利を委託者から贈与により取得したものとみなす、と定めています。
信託の形別に見た、信託したときの贈与税
| 信託の形 | 贈与税 |
|---|---|
| 委託者と受益者が同じ(自益信託) | 委託者が自分から取得する形になり、贈与とみなされる人がいない(筆者の整理)。受託者の調書も、委託者と受益者等が同じ信託の効力が生じたときは提出を要しないとされている(相続税法施行規則第30条第7項第5号) |
| 委託者と違う人が受益者(他益信託) | 受益者が、委託者から贈与により取得したものとみなされる。暦年課税の基礎控除は110万円で、これを超えると翌年2月1日から3月15日の間に申告と納税が要る(国税庁 No.4402) |
贈与税の税率は、国税庁 No.4408 の速算表で確かめられます。
不動産を信託する場合の登録免許税は、家族信託の費用の相場に、税率の原文と計算例を載せています。不動産取得税は、委託者から受託者に信託財産を移す場合の不動産の取得には課されません(地方税法第73条の7第3号)。
売却益の所得税は、受益者にかかります。所得税法第13条第1項は、受益者は信託財産に属する資産と負債を有するものとみなし、信託財産に帰せられる収益と費用は受益者のものとみなす、と定めています。売買契約は受託者の名前で結んでも、売却益は受益者の譲渡所得として扱われます(筆者の整理です)。
信託した不動産を売ったときの、課税される人と計算の基
| 場面 | 課税される人 | 計算の基 |
|---|---|---|
| 親が受益者のまま、子(受託者)が実家を売る | 親(受益者) | 売った金額から取得費と譲渡費用を引いて譲渡所得を出す(国税庁 No.3202)。取得費は No.3252、譲渡費用は No.3255 |
| 親の死亡後、受益者になった子が売る | 子(受益者) | 取得費と取得の時期は、相続や贈与で取得した場合の扱いを確かめる(国税庁 No.3270) |
国税庁のタックスアンサーで2026年10月28日に確認しました。
売却代金は信託財産になり、受託者は自分の財産と分けて管理します(信託法第34条)。売って得た代金を何に使うかは、売る前に契約書で決めておきます。税率と特別控除の使い方は相続した実家を売却すると税金はいくらかで、実家を売れる形にする方法は親が認知症になる前に実家を売れるようにするにはで確かめられます。
立場別の税金
| 立場 | 税金 | 根拠 |
|---|---|---|
| 受益者 | 信託財産の収益と費用が自分のものとして扱われる(賃料は不動産所得、売却益は譲渡所得)。受益者になったとき・変わったときは、贈与税または相続税 | 所得税法第13条第1項、相続税法第9条の2 |
| 受託者 | 受益者でなければ、信託財産の収益では課税されない。報酬を受けると、その報酬は受託者の収入。毎年、信託の計算書を出し、受益者等が変わったときなどには調書を出す | 信託法第54条、所得税法第227条、相続税法第59条第3項 |
| 帰属権利者 | 信託が終わって残余財産を受け取る人。適正な対価を負担せずに受け取ると、贈与(受益者等の死亡で終了した場合は遺贈)により取得したものとみなされる | 信託法第182条・第183条、相続税法第9条の2第4項 |
| 委託者 | 信託したことで贈与税を納めるのは、受益者になった人。委託者が受益者を兼ねる間は、収益は委託者のものとして扱われる | 国税庁 No.4402、所得税法第13条第1項 |
帰属権利者について契約書に定めがない場合は、委託者またはその相続人が帰属権利者とみなされます(信託法第182条第2項)。親の死亡後に財産を誰へ渡すかは、課税の面でも契約書で決めておく項目です。
出すのは受託者です。税金の納付ではなく、税務署への届け出です。
受託者が税務署に出す2つの書類
| 書類 | 出す時期 | 出さなくてよい場合 |
|---|---|---|
| 信託の計算書(所得税法第227条、同法施行規則第96条) | 信託会社以外の受託者は、毎年1月31日まで。受益者別に、前年12月31日の資産と負債の内訳、前年中の収益と費用、受益者等に交付した信託の利益などを書く | 各人別の、前年中の信託財産に帰せられる収益の合計額が3万円以下のとき(同規則第96条第2項。例外は同条第3項) |
| 受益者別(委託者別)の調書(相続税法第59条第3項) | 信託の効力が生じた、受益者等が変わった、信託が終了した、権利の内容が変わった月の翌月末日まで | 信託財産の価額の合計が50万円以下のとき、委託者と受益者等が同じ信託の効力が生じたときなど(相続税法施行規則第30条第7項) |
2026年10月28日に e-Gov で確認しました。個人が受託者の場合も、条文は事務を行う住所や居所などを有する受託者を対象にしています。
計算書に書く資産の異動や収益の額は、受託者の記録から作ります。受託者には帳簿を作り、毎年1回、受益者に報告する義務があります(信託法第37条)。収支を記録に残しておく方法は、契約の前に決めておくと進めやすくなります。
家族信託を使うかどうかは、税金より先に、認知症などで財産を動かせなくなる心配があるかで決まります。そのうえで、信託の形ごとに税金の出方が違います(筆者の整理です)。
信託の形別に見た、税金の出方
| 信託の形 | 税金の出方 | 先に確かめること |
|---|---|---|
| 親が受益者のまま始める | 信託したとき贈与税は出ない。収益は親のもの | 受託者の記録と、信託の計算書の要否 |
| 最初から子を受益者にする | 設定時に贈与税の対象になる | 110万円の基礎控除(No.4402)と贈与税のガイド |
| 売る予定の不動産を信託する | 売却益は受益者の所得。売る人と、税金を申告する人が別になる | 売却代金の使い道と、申告の準備 |
管理や売却のために家族信託を使うなら、まず親を受益者にして始める形が基本になります。親の死亡後の相続税は家族信託と相続税で、仕組み全体は家族信託の仕組みとメリット・デメリットで確かめられます。
次の5つを家族で話しておくと、契約書の相談が進みます(筆者の整理です)。
委託者と受益者が違う信託では、受益者が委託者から贈与により取得したものとみなされます(相続税法第9条の2第1項)。委託者と受益者が同じ信託では、贈与とみなされる人がいません。贈与税の基礎控除は暦年課税で110万円です(国税庁 No.4402)。
信託財産に帰せられる収益と費用は受益者のものとみなされるため(所得税法第13条第1項)、売却益の所得税は受益者にかかります。契約を結ぶのは受託者でも、申告するのは受益者です。
受益者でなければ、信託財産の収益は受託者の所得になりません。受託者が報酬を受けるときは、その報酬が子自身の収入になります。申告が要るかどうかは所得の額で決まるため、国税庁の確定申告のページ(No.2020)で確かめられます。
信託会社以外の受託者は、毎年1月31日までに、受益者別の計算書を税務署長に出します(所得税法第227条)。各人別の、前年中の信託財産に帰せられる収益の合計額が3万円以下のときは、提出を要しません(同法施行規則第96条第2項)。
委託者から受託者に信託財産を移す場合の不動産の取得には、不動産取得税を課することができません(地方税法第73条の7第3号)。信託の登記の登録免許税は別にかかり、額は家族信託の費用の相場で確かめられます。
親の財産にかかる相続税は、先に計算機で確かめられます
相続税を無料で計算する →