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相続人が数人いると、遺産分割が済むまで、相続財産は共有に属します(民法第898条)。この「遺産共有」では、共同相続人の間で遺産分割をすべき場合、通常の共有物の分割(第258条)はできません(第258条の2第1項)。ただし、相続開始から10年を経過したときは、持分について第258条の分割をすることができます(同条第2項。相続人が異議を申し出たときを除く)。相続した実家の持分を売るには、先に相続登記が必要です(法務省)。
遺産共有と通常の共有(民法)
| 遺産共有 | 通常の共有 | |
|---|---|---|
| きっかけ | 相続で、遺産分割の前の状態(第898条) | 購入・贈与などで共有になった状態 |
| 持分の割合 | 法定相続分(第898条第2項) | 合意または相等しいと推定(第250条) |
| 分け方 | 遺産分割の協議・家庭裁判所の調停や審判(第907条) | 共有物の分割請求(第256条・第258条) |
| 裁判所による分割 | 遺産分割をすべき場合は第258条の分割は不可(第258条の2第1項) | 協議が調わなければ第258条で請求できる |
共有物の持分が相続財産に属する場合、相続開始の時から10年を経過したときは、第258条の分割をすることができます(第258条の2第2項)。ただし、持分について遺産の分割の請求があった場合に、相続人が異議の申出をしたときは、この限りでありません。異議の申出は、裁判所から請求があった旨の通知を受けた日から2か月以内に行います(同条第3項)。
10年を経過する前は、遺産分割の協議や調停が基本です。10年を経過すると、他の共有者から分割を請求される可能性が出てきます。
法務省は、相続した不動産を売却するような場合には、相続登記をする必要があると案内しています。民法第900条・第901条の法定相続分に応じた共有名義の相続登記は、不動産登記法第76条の2第2項にも出てくる登記です。相続登記は、相続を知った日から3年以内が申請義務です。
遺産分割の協議がまとまらないときは、法定相続分での相続登記を先にする方法があるとされます。ただし、その後の遺産分割に影響が出るため、事前に弁護士か司法書士に相談してください(相続登記と売却)。
兄弟全員で実家を売る方法は兄弟で売る場合の記事にあります。
売る前に相続登記が必要です(法務省)。ただし、遺産分割に影響が出るため、売る前に弁護士か司法書士に相談してください。
遺産分割をすべき場合は、民法第258条の分割はできず、遺産分割で決めます(第258条の2第1項)。
自分の持分を売ること自体は、他の共有者の同意を求める条文がありません。ただし、実家の全体を売るには、所在が分からない共有者についての手続きが必要です(民法第251条第2項、第262条の2)。
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