相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
不動産の売却 2026年10月24日 読了 約7分

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相続した実家を売るときに使える特例は?3,000万円特別控除と取得費加算の違い・併用できない理由

相続した実家を売るときの特例は、主に2つあります。譲渡所得から最高3,000万円を引く「被相続人の居住用財産(空き家)の特例」(国税庁 No.3306)と、払った相続税の一部を取得費に足せる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(No.3267)です。前者には、昭和56年5月31日以前に建てた家であることなど家の条件があり、後者には相続税が課税されていることという条件があります。空き家の特例は、取得費の特例を受けていないことが要件のため、2つは同じ売却に併用できません。

1. 2つの特例は、何がどう違いますか

空き家の特例と取得費加算の比較(令和8年4月1日現在・国税庁)

項目空き家の3,000万円特別控除(No.3306)取得費加算(No.3267)
内容譲渡所得から最高3,000万円を控除(相続人が3人以上は2,000万円)相続税額のうち一定額を譲渡資産の取得費に加算
売る期限相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(制度は令和9年12月31日の譲渡まで)相続開始の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日まで
相続税課税されていなくてもよい相続税が課税されていること
家の条件昭和56年5月31日以前に建築、区分所有でない、相続開始の直前に被相続人のほかに居住者がいない、など要件に家の築年数などの条件は書かれていない(土地・建物・株式などが対象)
売却代金1億円以下要件には書かれていない
申告必要必要

2. 自分が住んでいなかった実家に、マイホームの特例は使えますか

マイホームを売ったときの3,000万円特別控除(No.3302)は、自分が住んでいた家屋が対象です。国税庁の質疑応答事例には、相続した家を、自分が居住の用に供したことがないまま売った場合は「居住用財産ということはできない」ので、この特例は適用できないとする回答があります。

そのため、亡くなった方だけが住んでいた実家を売るときは、上の表の「空き家の特例」が入口になります。自分も住んでいた実家かどうかで、使う制度が分かれます。

3. 2つの特例は、併用できますか

併用できません。空き家の特例の要件に「売った家屋や敷地等について、相続財産を譲渡した場合の取得費の特例や収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと」があります(国税庁 No.3306)。同じ家と敷地の売却では、どちらかを選びます。

ただし、売る対象が別なら話が変わります。取得費加算は「譲渡した財産ごとに計算」します(No.3267)。実家以外の土地や株式を売るときは、財産ごとに特例が使えるかどうかを見ます。

4. 両方に当てはまるとき、どう比べますか

上限の考え方が違います。空き家の特例は、譲渡所得から引ける額の上限が3,000万円(相続人が3人以上は2,000万円)です。取得費加算は、相続税額に、譲渡した財産の相続税評価額が占める割合を掛けた額で決まります(No.3267)。

比べ方の例(仮定)

空き家の特例取得費加算
前提売却額4,000万円、譲渡費用150万円、取得費は5%の200万円同じ。相続税額1,000万円、取得財産の価額は合計1億円、実家の相続税評価額3,000万円
特例で減る額譲渡所得から3,000万円を控除取得費に1,000万円×3,000万円÷1億円=300万円を加算
課税される譲渡所得3,650万円-3,000万円=650万円3,650万円-300万円=3,350万円

数字は説明のための仮定です。実際の税額は、売却の条件によって変わります。取得費加算の算式は、国税庁 No.3267 の算式を、他の加算がない場合に当てはめた例です。

家の条件を満たす実家で、売却額が大きいときは、空き家の特例のほうが減る額が大きくなる場合があります。逆に、昭和57年以降に建てた実家は空き家の特例の対象外なので、相続税を払ったなら取得費加算を検討します。

よくある質問

相続税を払っていなければ、取得費加算は使えませんか?

使えません。要件に「その財産を取得した人に相続税が課税されていること」があります(国税庁 No.3267)。基礎控除の範囲内で相続税がかからなかった場合は対象外です。

昭和57年に建てた実家は、空き家の特例の対象になりますか?

対象外です。被相続人居住用家屋の要件に「昭和56年5月31日以前に建築されたこと」があります(国税庁 No.3306)。

特例を使うために、売る前にやっておくことはありますか?

空き家の特例は、市区町村長が交付する「被相続人居住用家屋等確認書」などの書類が要ります。家の状態によっては、耐震基準の証明書や取り壊しの手配も必要です。詳しくは3,000万円特別控除の要件の記事を確かめてください。

参考・出典

実家を売る前に、相続税がかかるかどうかは計算機で確かめられます

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