親や祖父母から800万円の贈与を受けた場合、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上であれば、贈与税は117万円です(特例税率)。申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに必要です。
| 1年間にもらった財産の合計 | 800万円 |
| 基礎控除(暦年課税) | 110万円 |
| 基礎控除後の課税価格 | 690万円 |
| 特例税率の税率・控除額(1,000万円以下) | 30%・控除額90万円 |
| 贈与税額 | 117万円 |
子・孫が18歳未満のとき、または夫の父母など直系尊属でない人からの贈与は一般税率になり、同じ800万円で151万円です。
※ 1年間(1月1日〜12月31日)にもらった財産が800万円だけで、暦年課税を選んでいる場合の計算です。評価額は贈与を受けた時の価額で読んでください。
800万円の贈与税の計算の流れ(特例税率)
まず、1年間にもらった800万円から基礎控除額110万円を引き、690万円を出します。これを速算表に当てはめると「1,000万円以下」の区分で、税率30%、控除額90万円です。690万円×30%−90万円=117万円になります(国税庁 No.4408)。
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 | このページの区分 |
|---|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | ― | |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 | |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 | |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 | ← ここに当てはまる |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 | |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 | |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 | |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
国税庁の例(贈与500万円)では、一般税率で53万円、特例税率で48.5万円です。このページの速算表は、国税庁 No.4408 の「特例贈与財産用」です。
特例税率が使える人と、使えない人
- 特例税率を使えるのは、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の子や孫が、父母や祖父母など直系尊属から贈与を受けた財産です(令和4年3月31日以前の贈与は20歳以上)。
- 夫の父からの贈与など、配偶者の親からの贈与には使えません。直系尊属に当たらないためです。
- 直系尊属から贈与を受けても、子や孫が18歳未満なら一般税率になります。
- 特例税率と一般税率の両方の贈与があるときは、全体を両方の税率で計算し、贈与額の割合で按分して合計します。
同じ800万円を一般税率で計算すると151万円で、特例税率との差は34万円です。要件を満たすかどうかは、税務署または税理士に確認してください。
800万円の贈与税を、関係や制度で比べる
| もらい方 | 贈与税 | 申告 |
|---|---|---|
| 親・祖父母から子・孫(18歳以上) | 117万円 | 必要 |
| 夫婦・兄弟・他人など | 151万円 | 必要 |
| 住宅取得資金の非課税を使う場合 | 0円/19万円 | 特例を使うなら必要 |
| 相続時精算課税を選んだ場合 | 0円 | 選択届出書が必要 |
住宅取得資金の行は「省エネ等住宅/それ以外の住宅」の順に、非課税の特例を使った場合の贈与税を示しています。
800万円の贈与は税務署に分かるのか、申告しないとどうなるか
国税庁は、贈与税について「積極的に資料情報を収集するとともに、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努め、無申告事案を中心に贈与税の調査を的確に実施しています」と公表しています。同じ資料では、令和6事務年度の贈与税の実地調査は2,778件、追徴税額は123億円で、申告漏れ等があった件のうち83.4%が無申告でした(令和6事務年度における相続税の調査等の状況(国税庁・令和7年12月))。
- 生活費や教育費の名目でもらった場合でも、それを預金したり、株式や不動産の買入資金に充てたりすると、贈与税がかかります。贈与税がかからないのは、必要な都度、直接生活費や教育費に充てるものに限られます(国税庁 No.4405)。
- 贈与した人が亡くなったとき、相続や遺贈で財産を取得した人が加算対象期間内に暦年課税で贈与を受けていれば、贈与税がかかったかどうかに関係なく、贈与時の価額が相続税の課税価格に加算されます。基礎控除額110万円以下の贈与も加算の対象です(国税庁 No.4161)。
| 贈与した人が亡くなった日(相続開始日) | 相続税の課税価格に加算される暦年課税の贈与 |
|---|---|
| 〜令和8年12月31日 | 相続開始前3年以内の贈与 |
| 令和9年1月1日〜令和12年12月31日 | 令和6年1月1日から死亡の日までの贈与 |
| 令和13年1月1日〜 | 相続開始前7年以内の贈与 |
申告が必要な贈与を申告しないと、あとから無申告加算税や延滞税がかかることがあります。申告が必要かどうか迷うときは、税務署か税理士に確認してください。
「親から子・祖父母から孫」の贈与額別 贈与税の早見表
| もらった額 | 贈与税 | 申告 |
|---|---|---|
| 100万円 | 0円 | 原則不要 |
| 110万円 | 0円 | 原則不要 |
| 120万円 | 1万円 | 必要 |
| 150万円 | 4万円 | 必要 |
| 200万円 | 9万円 | 必要 |
| 250万円 | 14万円 | 必要 |
| 300万円 | 19万円 | 必要 |
| 400万円 | 33.5万円 | 必要 |
| 500万円 | 48.5万円 | 必要 |
| 600万円 | 68万円 | 必要 |
| 700万円 | 88万円 | 必要 |
| 800万円 | 117万円 | 必要 |
| 1,000万円 | 177万円 | 必要 |
| 1,200万円 | 246万円 | 必要 |
| 1,500万円 | 366万円 | 必要 |
| 2,000万円 | 585.5万円 | 必要 |
| 2,500万円 | 810.5万円 | 必要 |
| 3,000万円 | 1,035.5万円 | 必要 |
| 4,000万円 | 1,530万円 | 必要 |
| 5,000万円 | 2,049.5万円 | 必要 |
同じ年に複数の人から贈与を受けたときは、もらった財産を合計して計算します。合計額で贈与額別の一覧を引いてください。
800万円の贈与を受けたあと、いつまでに何をするか
贈与税の申告と納税は、贈与を受けた人が、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに行います(国税庁 No.4402)。例えば2026年中に贈与を受けた場合は、2027年2月1日から3月15日です。
- 申告書の提出先は、納税地の所轄税務署です。
- 贈与税は、金銭で一度に納めるのが原則です。
- 贈与税額が10万円を超え、納期限までに金銭で納付することが困難なときは、申告書の提出期限までに申請して許可を受けると、延納できます(国税庁 No.4402)。
- 期限を過ぎると、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。
よくある質問
親や祖父母から800万円もらうと、贈与税はいくらですか?
贈与を受けた年の1月1日に18歳以上なら、特例税率で117万円です。800万円から基礎控除110万円を引いた690万円に、速算表の税率30%を掛けて計算します。
贈与税の特例税率は、誰から誰への贈与に使えますか?
贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の子や孫が、父母や祖父母など直系尊属から受けた贈与に使います。夫の父など配偶者の親からの贈与には使えません(国税庁 No.4408)。
贈与税の申告はいつまでに必要ですか?
贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、申告と納税をします(国税庁 No.4402)。
暦年課税と相続時精算課税は、どちらを選べますか?
贈与者が60歳以上の父母・祖父母で、受贈者が18歳以上の子・孫などであれば、相続時精算課税を選べます。一度選ぶと、その贈与者からの贈与は暦年課税に戻せません(国税庁 No.4103)。選ぶかどうかは、税務署または税理士に確認してください。
贈与税の申告をしないと、どうなりますか?
申告が必要なのにしないと、無申告加算税や延滞税がかかることがあります。国税庁は、贈与税の調査を無申告事案を中心に実施していると公表しています。申告が必要かどうか迷うときは、税務署か税理士に確認してください。
計算の根拠と出典
- 基礎控除:暦年課税は年110万円(1月1日〜12月31日にもらった財産の合計に対して)。
- 税額の計算:基礎控除後の課税価格に、特例税率の速算表(国税庁 No.4408)を当てはめて計算します。
出典: 国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)/国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合/国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択/国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合/国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)/国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況
※ 概算です。実際の贈与税は、もらった財産の評価額、贈与者との関係、年齢、適用する制度や特例で変わります。申告が必要かどうかや、特例の要件を満たすかどうかは、税理士または所轄の税務署に確認してください。
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※ 本ページの試算は概算です。実際の贈与税は、財産の評価額・関係・適用する制度で変わります。申告が必要かどうかは税務署または税理士にご確認ください。
最終更新日:2026年10月26日