相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
基礎知識 2026年5月5日 読了 約8分

相続税の税額控除一覧【未成年者控除・障害者控除・贈与税額控除の使い方】

相続税には「所得控除」ではなく「税額控除」が用意されています。税額控除は課税所得から差し引くのではなく、 計算後の税額から直接引けるため、節税効果が非常に高い制度です。 未成年者控除・障害者控除・相次相続控除・贈与税額控除・外国税額控除の5種類を、 それぞれの計算方法と適用条件とともに解説します。

1. 所得控除と税額控除の違い

税金の軽減措置には「所得控除」と「税額控除」の2種類があります。 相続税の「基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)」は課税遺産総額から差し引く控除ですが、 ここで紹介する税額控除はその後に算出された税額から直接差し引きます。 国税庁の統計によると、2022年に相続税の申告があった被相続人は約15万人で、課税された割合は死亡者全体の約9.6%です。

控除の種類と計算上の位置

種類差し引くタイミング代表例
基礎控除課税遺産総額の計算時3,000万円+600万円×法定相続人数
税額控除税額計算後(最終段階)未成年者控除・障害者控除など

税額控除は「1円引けば1円節税」になるため、適用できる場合は必ず申告書に記載しましょう。

2. 未成年者控除

相続人が18歳未満の未成年者である場合に適用できる控除です。 若いうちに親を亡くした子どもへの配慮として設けられています。

計算式:(18歳 − 相続開始時の年齢)× 10万円

たとえば10歳で相続した場合、(18 − 10)× 10万円 = 80万円が税額から控除されます。 控除額が算出税額を超える場合、超過分は扶養義務者(親権者など)の税額から差し引くことができます。

未成年者控除の計算例

相続時の年齢控除額
0歳180万円
5歳130万円
10歳80万円
15歳30万円
18歳以上適用なし

3. 障害者控除

相続人が障害者である場合に適用できる控除です。 障害の程度によって控除額が変わります。

一般障害者:(85歳 − 相続開始時の年齢)× 10万円
特別障害者:(85歳 − 相続開始時の年齢)× 20万円

特別障害者とは、身体障害者手帳1・2級、精神障害者保健福祉手帳1級、 重度の知的障害者などが該当します。 未成年者控除と同様、控除額が算出税額を超えた分は扶養義務者の税額から差し引けます。

障害者控除の計算例(40歳で相続した場合)

区分計算控除額
一般障害者(85 − 40)× 10万円450万円
特別障害者(85 − 40)× 20万円900万円
過去に障害者控除を使った場合: 同じ人が複数回相続する場合、前回使った分は控除済みとなるため、 残りの年数分のみ控除が認められます。

4. 相次相続控除

10年以内に2回相続が発生した場合、2回目の相続税を一定割合軽減できる制度です。 短期間に続けて相続税を納めると財産が大きく目減りすることへの配慮として設けられています。

控除額は1回目の相続から2回目の相続までの期間(1年ごとに10%減)によって異なります。 1年以内なら1回目に支払った税額の100%、2年以内なら80%、…10年以内なら10%が控除されます。

相次相続控除の割合

経過年数控除割合
1年以内100%
2年以内80%
3年以内60%
5年以内40%(4年以内は60%)
10年以内10〜20%
10年超適用なし
適用要件: 今回の相続で相続人となっており、かつ前回の相続でも相続税を支払っている必要があります。 配偶者控除や障害者控除などで前回の税額がゼロになっていた場合は適用できません。

5. 贈与税額控除

生前贈与を受けて贈与税を支払った財産が相続税の課税対象に含まれる場合、 支払済みの贈与税を相続税から差し引ける制度です。 「同じ財産に贈与税と相続税の両方がかかる」二重課税を防ぐためのルールです。

適用されるケース

贈与税額控除の上限: 控除できる贈与税額は、その財産に対応する相続税額が上限です。 相続税の計算後に「控除しきれない」場合でも還付は受けられません。

6. 外国税額控除

海外にある財産(外国所在財産)に対して外国の相続税(遺産税・遺産取得税など)が 課された場合、日本の相続税から差し引ける制度です。 国際的な二重課税を防ぐ目的で設けられています。

控除額は「外国で支払った相続税相当額」が上限で、 日本の相続税額に占める外国財産の割合を超えることはできません。

必要な書類: 外国政府などが発行した納税証明書(翻訳文を添付)を相続税申告書に添付する必要があります。 海外財産がある場合は早めに専門家へ相談することをおすすめします。

参考・出典

税額控除を考慮した相続税の概算を確認しましょう

相続税を無料で計算する →

相続税計算機 運営事務局

本サイトは個人が運営する情報提供サイトです。相続税申告・遺産分割・生前対策について、国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに記事を編集・公開しています。お問い合わせは お問い合わせフォーム よりお願いします。