相続税は課税遺産総額が大きいほど高い税率がかかる「累進課税」の仕組みを採用しています。 最低税率は10%、最高税率は55%と幅が広く、財産額によって税負担は大きく変わります。 この記事では、税率の仕組み・速算表の使い方・遺産1億円の具体的な計算例まで解説します。
相続税の計算は次のステップで進みます。 国税庁の統計によると、2022年に相続税の申告があった被相続人は約15万人で、課税された割合は死亡者全体の約9.6%です。
相続税は「各相続人が法定相続分どおりに取得したとしたら税額がいくらか」を計算してから、 合計した相続税総額を実際の取得割合で按分します。 これは、実際の分割割合によって税額が変わることを防ぐための仕組みです。
相続税総額 = Σ(法定相続分による各人の取得額 × 税率 − 控除額)
各人の税額を合算したものが相続税の総額
相続税の速算表(法定相続分に応じた取得金額ベース)
| 法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | なし |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
速算表の「控除額」は、累進課税の段階的な税率を簡便に計算するための調整額です。 たとえば取得金額が3,000万円の場合、3,000万円 × 15% − 50万円 = 400万円が税額になります。
前提条件
| 遺産総額(課税価格の合計額) | 1億円 |
| 法定相続人 | 配偶者・子2人(計3人) |
| 基礎控除額 | 3,000万円 + 600万円×3 = 4,800万円 |
| 課税遺産総額 | 1億円 − 4,800万円 = 5,200万円 |
相続税総額
| 相続税の総額 | 340万円 + 145万円 + 145万円 = 630万円 |
配偶者が法定相続分(この例では1億円の1/2 = 5,000万円)または1億6,000万円のいずれか大きい金額まで 相続する場合、配偶者の相続税は0円になります。
前の計算例で配偶者が法定相続分(5,000万円)以内で相続した場合、 配偶者の納税額は0円になります。相続税の総額630万円から配偶者分の税額(按分後)を引いた残りを 子2人で負担することになります。
相続税の総額は、実際の取得割合で各相続人に按分されます。 たとえば子2人が2:1の割合で遺産を取得したとしても、総額630万円を2:1で按分して それぞれの納税額を算出します。
各人の納税額 = 相続税総額 × (各人の取得額 ÷ 課税価格の合計額)
実際の取得割合に応じて按分する
この仕組みにより、遺産をどのように分割しても相続税の総額は変わりません。 分割方法による税額の差は、主に「配偶者の税額軽減」の適用範囲が変わることによって生じます。
一次相続(父が亡くなる)で配偶者(母)に多くの財産を相続させると、 母が亡くなる二次相続時に子が相続する財産が増え、税負担が増大します。
一次相続と二次相続を合算した税額の総額を最小化するには、 一次相続時に子へ一定程度の財産を振り分けることを検討する必要があります。 最適な分割割合はご家族の状況・財産内容・二次相続までの期間などによって異なるため、 税理士に相談することをお勧めします。
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