相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
基礎知識 2026年5月5日 読了 約8分

相続税がかかる財産・かからない財産の一覧【非課税財産と控除の使い方】

「仏壇や墓石にも相続税がかかるの?」「生命保険は全額課税?」—— 相続税の対象になるかどうかは財産の種類によって異なります。 相続財産を正確に把握するには、課税対象・非課税・みなし相続財産・債務控除の4区分を 理解する必要があります。

1. 課税対象になる主な財産

相続税は「相続または遺贈によって取得した財産」に課税されます。 財産の形式を問わず、金銭的価値があるものはすべて原則として課税対象です。 国税庁の統計によると、2022年に相続税の申告があった被相続人は約15万人で、課税された割合は死亡者全体の約9.6%です。

課税対象財産の主な一覧

財産の種類評価方法
現金・預貯金残高そのまま(外貨は円換算)
不動産(土地・建物)路線価方式または倍率方式
上場株式・投資信託死亡日前後3か月の最低終値など
非上場株式類似業種比準方式・純資産価額方式
貸付金・売掛金元本+経過利息
ゴルフ会員権取引相場の70%
書画・骨董品・宝石売買実例価額・専門家鑑定
著作権・特許権将来の収益を現在価値に換算

2. 非課税財産(墓地・仏壇・寄付など)

以下の財産は相続税の課税対象になりません(相続税法12条)。

投資目的の骨董品・高価な仏壇は課税対象になる場合あり: 通常の日常礼拝に使うものは非課税ですが、純粋に骨董品として高額な商品価値があるものや、 投資目的で保有していた美術品は課税対象になります。
国への寄付による節税: 相続で取得した財産を相続税の申告期限(死亡後10か月)までに国・地方公共団体・ 特定の公益法人に寄付した場合、その財産は相続税の課税対象になりません。

3. みなし相続財産(生命保険・退職金)

「みなし相続財産」とは、民法上は相続財産でないものの、 相続税法上は相続財産とみなして課税される財産です。

生命保険の死亡保険金

被相続人が保険料を負担していた生命保険の死亡保険金は、 「相続人が受け取った」場合にみなし相続財産として課税されます。 ただし500万円×法定相続人数が非課税になります。

死亡退職金・弔慰金

被相続人の死亡によって支給される退職金・功労金も同様に、 500万円×法定相続人数が非課税になります。 弔慰金については、業務上の死亡なら「給与の3年分」、それ以外は「給与の半年分」が非課税とされます。

みなし相続財産の非課税枠(法定相続人3人の場合)

種別非課税枠受取人が相続人3人なら
生命保険死亡保険金500万円×相続人数1,500万円まで非課税
死亡退職金500万円×相続人数1,500万円まで非課税

4. 債務控除(借金・葬式費用)

相続財産から差し引ける「債務」には以下のものが含まれます。

葬式費用の控除

葬式費用は遺産から差し引くことができます(相続税法13条2項)。 控除できる費用の例:通夜・告別式費用、火葬・納骨費用、お布施・戒名料。

控除できない費用: 香典返しの費用・墓石・仏壇の購入費用(これらは別途非課税財産として扱う)・ 初七日以降の法要費用は葬式費用として控除できません。

5. 相続前7年以内の贈与の加算ルール

相続開始前7年以内に被相続人から贈与を受けた財産(相続人への贈与)は、 相続財産に加算して相続税を計算します(生前贈与加算)。

2024年1月1日以降の贈与から加算期間が3年から7年に延長されました。 なお、加算対象の贈与のうち相続開始前4〜7年間分については、 合計100万円を超える部分のみが加算対象になります。

孫・子の配偶者への贈与は加算対象外: 贈与加算の対象は「相続人となった者への贈与」です。 相続人でない孫や子の配偶者への贈与は原則として加算対象外です(ただし遺贈を受けた場合を除く)。

6. 相続時精算課税を選択した場合の扱い

相続時精算課税制度を選択した贈与財産は、贈与時期にかかわらず すべて相続財産に加算して相続税を計算します(2,500万円の特別控除あり)。

2024年以降は年間110万円の基礎控除が新設され、この部分については相続時に加算されません。 相続時精算課税は一度選択すると取り消せないため、慎重に検討する必要があります。

相続時精算課税が有利なケース: 将来値上がりが見込まれる財産(事業用不動産・株式など)を早期に贈与する場合は、 贈与時点の低い評価額で精算できるため有利になることがあります。

参考・出典

課税財産の合計額を入力するだけで相続税の概算を計算できます

相続税を無料で計算する →

相続税計算機 運営事務局

本サイトは個人が運営する情報提供サイトです。相続税申告・遺産分割・生前対策について、国税庁・法務省・裁判所などの公開情報をもとに記事を編集・公開しています。お問い合わせは お問い合わせフォーム よりお願いします。