「自分は相続人になれるのか」「取り分はどれくらいか」——相続が発生したとき、まず確認すべきはこの2点です。 民法は相続人の範囲と取り分(法定相続分)を詳細に定めており、遺産分割の出発点になります。 この記事では、法定相続人の範囲・優先順位・各ケースの法定相続分を具体例を交えて解説します。
民法は、被相続人(亡くなった方)の血族を「第1順位〜第3順位」に分け、 上位の順位の相続人がいる場合は下位の順位の者は相続人にならないと定めています。 最高裁判所の司法統計によると、相続放棄の申述受理件数は年間26万件前後で推移しており、近年増加傾向にあります。
法定相続人の順位一覧
| 順位 | 相続人 | 備考 |
|---|---|---|
| 第1順位 | 子(直系卑属) | 養子・非嫡出子も含む |
| 第2順位 | 親・祖父母(直系尊属) | 第1順位がいない場合 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 第1・第2順位がいない場合 |
| 常に相続人 | 配偶者 | 婚姻届を出した法律上の配偶者のみ |
たとえば、被相続人に子がいる場合は第1順位の子が相続人となり、 被相続人の親や兄弟姉妹は相続人になりません。 子が全員死亡・相続放棄した場合に、はじめて第2順位の親が相続人となります。
配偶者(夫または妻)は、順位に関係なく常に法定相続人になります。 ただし、ここでいう「配偶者」とは婚姻届を提出した法律上の配偶者のみです。 内縁関係(事実婚)のパートナーは法定相続人にはなりません。
配偶者は血族相続人(子・親・兄弟姉妹)と共同して相続します。 被相続人に血族相続人が誰もいない場合は、配偶者が単独で全財産を相続します。
被相続人より先に子が亡くなっていた場合、その子の子(つまり被相続人の孫)が 代わりに相続人となります。これを代襲相続といいます。
孫も既に亡くなっている場合は、曽孫(ひ孫)が代わりに相続人になります。 直系卑属は何代でも代襲相続が可能です。 ただし兄弟姉妹の代襲相続は甥・姪まで(1代限り)に制限されています。
法定相続分は誰と共同相続するかによって変わります。 代表的な3パターンを確認しましょう。
法定相続分の一覧
| 相続人の組み合わせ | 配偶者 | その他の相続人 |
|---|---|---|
| 配偶者+子 | 1/2 | 子全員で1/2(均等に按分) |
| 配偶者+父母(直系尊属) | 2/3 | 父母全員で1/3(均等に按分) |
| 配偶者+兄弟姉妹 | 3/4 | 兄弟姉妹全員で1/4(均等に按分) |
| 子のみ(配偶者なし) | — | 子全員で全財産(均等に按分) |
配偶者+子2人の場合:配偶者1/2、子それぞれ1/4ずつ
子が3人なら:配偶者1/2、子それぞれ1/6ずつ
片方の親のみが同じ半血兄弟姉妹の法定相続分は、 両親が同じ全血兄弟姉妹の2分の1とされています(民法900条4号ただし書き)。
婚姻関係にない父母から生まれた子を非嫡出子(婚外子)といいます。 2013年9月の最高裁決定および民法改正により、 非嫡出子の相続分は嫡出子と同等になりました。
改正前は「嫡出子の2分の1」とされていましたが、最高裁が法の下の平等(憲法14条)に反すると判断し、 2013年9月5日以降に開始した相続については嫡出子と同等の相続分が適用されます。
法定相続人が誰もいない場合(または全員が相続放棄した場合)、 被相続人の財産はすぐに国庫に帰属するわけではありません。
相続人不在が確定した後、被相続人と「特別の縁故」があった者(内縁パートナー・療養看護に尽くした者など)は、 家庭裁判所に申し立てることで財産の全部または一部の分与を受けることができます。
特別縁故者への分与が行われなかった残余財産は、最終的に国(国庫)に帰属します。 このプロセスには通常1年以上かかります。
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