相続税は、亡くなった時点の財産に課税されます。つまり生前に対策することが最大の節税になります。 ただし、すべての節税対策が認められるわけではなく、過度な節税は否認されるリスクもあります。 この記事では、税務上も認められている代表的な5つの合法的節税対策を解説します。
贈与税の基礎控除は年間110万円です。 受贈者(贈与を受ける人)1人あたり年間110万円以内であれば贈与税がかかりません。 これを活用して少しずつ財産を移転していく方法が暦年贈与です。 国税庁の統計によると、2022年に相続税の申告があった被相続人は約15万人で、課税された割合は死亡者全体の約9.6%です。
年間の非課税移転額 = 110万円 × 受贈者の人数
子2人・孫2人への贈与なら年間440万円を非課税で移転可能
2024年1月以降の贈与から、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されます (改正前は3年以内)。ただし、加算対象の贈与のうち過去4〜7年分については 合計100万円まで相続財産に加算されません。
生命保険の死亡保険金は、受取人が相続人である場合、 500万円×法定相続人の数が非課税になります。
生命保険の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数
相続人が4人なら2,000万円まで非課税
現金を保有したまま相続すると全額が課税対象になりますが、 その現金で一時払い終身保険を契約しておけば非課税枠を活用できます。 手元流動性を確保しながら節税できる点が大きなメリットです。
被相続人が住んでいた自宅の土地(特定居住用宅地等)は、 面積330㎡(約100坪)まで、評価額を80%減額できる制度です。
適用した場合の節税効果の例
| 項目 | 特例なし | 特例あり(80%減) |
|---|---|---|
| 土地の評価額 | 5,000万円 | 1,000万円 |
| 削減できる課税評価額 | — | 4,000万円 |
この特例は相続後も要件(同居・保有継続など)を満たす必要があります。 特例を利用するには相続税の申告が必要です(税額がゼロでも申告書の提出が必要)。
現金・預金はそのまま相続税の評価額になりますが、 同額の現金で不動産を購入すると、相続税の評価額(路線価評価)は 一般に時価の7〜8割程度に圧縮されます。 さらに賃貸物件の場合は「貸家建付地・借家権割合」でさらに評価が下がります。
30歳未満の子・孫に、教育資金として一括贈与する場合、 1,500万円(学校等以外への支払いは500万円)まで非課税になります。 金融機関での専用口座を開設し、領収書を提出することで適用を受けます。
20〜50歳未満の子・孫に、結婚・出産・育児資金として一括贈与する場合、 1,000万円(結婚関連は300万円)まで非課税になります。
上記の対策はいずれも法律が認めた制度ですが、その趣旨に反した使い方をすると 税務調査で否認されることがあります。特に 「明らかに節税のみを目的とした直前の高額不動産購入」や 「名義だけ変えた名義預金」は注意が必要です。
相続税対策は「時間」が重要な資源です。暦年贈与は1年ごとに110万円ずつしか非課税にできないため、 10年間続ければ1人あたり1,100万円を非課税移転できますが、 5年しかなければ550万円になります。
税理士相談の理想タイミング
| タイミング | できる対策 |
|---|---|
| 10年以上前 | 暦年贈与・保険・不動産活用・教育資金すべて |
| 5〜10年前 | 暦年贈与・保険・小規模宅地特例の準備 |
| 1〜3年前 | 遺言書作成・保険・納税資金の確保 |
| 相続後 | 申告・各種控除・特例の適用 |
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