相続税の申告期限は「死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内」です
手続き 2026年5月5日 読了 約7分

相続人が自分だけの場合の手続き【単独相続の流れと注意点】

相続人が一人だけの「単独相続」は、複数の相続人がいる場合と比べて遺産分割協議が不要な分スムーズに見えますが、 相続税申告・不動産登記・口座解約などの手続きは一人でもすべて行わなければなりません。 単独相続になるケース、必要な手続きの流れ、注意点を整理して解説します。

1. 単独相続になるケース

法定相続人が1人しかいない状態、または他の相続人全員が相続放棄した結果として単独相続になります。 最高裁判所の司法統計によると、相続放棄の申述受理件数は年間26万件前後で推移しており、近年増加傾向にあります。

代襲相続に注意: 相続人が先に死亡している場合はその子(被相続人にとっての孫)が代襲相続します。 「自分が一人っ子だから単独相続」と思っていても、先に亡くなった兄弟姉妹に子がいると その子が相続人になる場合があります。戸籍調査で確認を怠らないようにしましょう。

2. 単独相続のメリット

複数の相続人がいる場合、遺産分割協議で全員の合意が必要です。 合意が取れないと財産の名義変更・口座解約・不動産売却ができず、手続きが長期化します。

単独相続の場合はこの協議が不要なため、手続きをスムーズに進められます。 ただし、法定相続人以外に相続させる遺贈や、相続人が複数いて1人だけが相続放棄した場合は 遺産分割協議が必要になることもあるため、状況に応じて確認が必要です。

3. 必要な手続きと書類

単独相続でも、相続人であることを第三者(銀行・法務局など)に証明する書類が必要です。

単独相続で必要な主な書類

書類取得先・内容
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍)本籍地の市区町村
相続人の現在の戸籍謄本相続人の本籍地
相続人の住民票住所地の市区町村
相続人の印鑑証明書住所地の市区町村
固定資産評価証明書(不動産がある場合)不動産所在地の市区町村
法定相続情報証明制度の活用: 戸籍謄本一式をもとに「法定相続情報一覧図」を法務局に申請すると、 無料で認証文付きのコピーを複数枚もらえます。 銀行・証券・法務局などに同時並行で提出できるため効率化に役立ちます。

4. 相続税申告は一人でも必要

単独相続でも、遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合は 相続税の申告・納税が必要です。

単独相続の場合、法定相続人数は1人になります。 つまり基礎控除は 3,000万円 + 600万円 × 1人 = 3,600万円 です。 遺産総額が3,600万円を超えれば申告が必要となります。

申告期限は10か月: 相続税の申告・納付期限は被相続人が亡くなった日の翌日から10か月以内です。 期限を過ぎると延滞税・加算税のペナルティが発生します。

5. 不動産の相続登記を単独で行う手順

2024年4月から相続登記が義務化されました(猶予期間3年)。 単独相続の場合も、相続で取得した不動産の名義変更登記を行う必要があります。

  1. 被相続人の全戸籍謄本・相続人の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書を揃える
  2. 固定資産評価証明書を取得する
  3. 登記申請書を作成する(法務局ウェブサイトに書式あり)
  4. 登録免許税を計算する(固定資産税評価額 × 0.4%)
  5. 法務局の窓口・郵送・オンラインで申請する

司法書士に依頼した場合の費用は5〜15万円程度が目安です。 不動産が複数あったり抵当権が残っている場合は専門家への依頼を検討しましょう。

6. 預金口座の単独解約手順

単独相続でも、銀行口座の解約・払い戻し手続きには銀行所定の書類への記入が必要です。 「遺産分割協議書」の代わりに、相続人が自分1人であることを示す戸籍謄本一式を提出します。

複数の銀行がある場合: 法定相続情報一覧図を複数枚取得しておくと、各銀行に同時提出できて効率的です。

7. 相続人が一人でも遺言書がある場合の扱い

単独相続の場合でも、遺言書が存在する場合はその内容に従って手続きを進めます。 遺言書の内容が法定相続と同じ(一人に全財産)であっても、遺言書がある場合は遺言書を利用した手続きが必要です。

自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所で検認(内容の確認)を受ける必要があります。 法務局で保管されていた自筆証書遺言は検認不要です。 公正証書遺言も検認は不要です。

遺言書を勝手に開封しない: 封がされた自筆証書遺言を家庭裁判所の検認前に開封すると、5万円以下の過料の対象になります。 発見したらまず家庭裁判所に連絡しましょう。

参考・出典

単独相続でも基礎控除を超えれば申告が必要です。まず概算を確認しましょう

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