相続人が一人だけの「単独相続」は、複数の相続人がいる場合と比べて遺産分割協議が不要な分スムーズに見えますが、 相続税申告・不動産登記・口座解約などの手続きは一人でもすべて行わなければなりません。 単独相続になるケース、必要な手続きの流れ、注意点を整理して解説します。
法定相続人が1人しかいない状態、または他の相続人全員が相続放棄した結果として単独相続になります。 最高裁判所の司法統計によると、相続放棄の申述受理件数は年間26万件前後で推移しており、近年増加傾向にあります。
複数の相続人がいる場合、遺産分割協議で全員の合意が必要です。 合意が取れないと財産の名義変更・口座解約・不動産売却ができず、手続きが長期化します。
単独相続の場合はこの協議が不要なため、手続きをスムーズに進められます。 ただし、法定相続人以外に相続させる遺贈や、相続人が複数いて1人だけが相続放棄した場合は 遺産分割協議が必要になることもあるため、状況に応じて確認が必要です。
単独相続でも、相続人であることを第三者(銀行・法務局など)に証明する書類が必要です。
単独相続で必要な主な書類
| 書類 | 取得先・内容 |
|---|---|
| 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍) | 本籍地の市区町村 |
| 相続人の現在の戸籍謄本 | 相続人の本籍地 |
| 相続人の住民票 | 住所地の市区町村 |
| 相続人の印鑑証明書 | 住所地の市区町村 |
| 固定資産評価証明書(不動産がある場合) | 不動産所在地の市区町村 |
単独相続でも、遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合は 相続税の申告・納税が必要です。
単独相続の場合、法定相続人数は1人になります。 つまり基礎控除は 3,000万円 + 600万円 × 1人 = 3,600万円 です。 遺産総額が3,600万円を超えれば申告が必要となります。
2024年4月から相続登記が義務化されました(猶予期間3年)。 単独相続の場合も、相続で取得した不動産の名義変更登記を行う必要があります。
司法書士に依頼した場合の費用は5〜15万円程度が目安です。 不動産が複数あったり抵当権が残っている場合は専門家への依頼を検討しましょう。
単独相続でも、銀行口座の解約・払い戻し手続きには銀行所定の書類への記入が必要です。 「遺産分割協議書」の代わりに、相続人が自分1人であることを示す戸籍謄本一式を提出します。
単独相続の場合でも、遺言書が存在する場合はその内容に従って手続きを進めます。 遺言書の内容が法定相続と同じ(一人に全財産)であっても、遺言書がある場合は遺言書を利用した手続きが必要です。
自筆証書遺言が見つかった場合は、家庭裁判所で検認(内容の確認)を受ける必要があります。 法務局で保管されていた自筆証書遺言は検認不要です。 公正証書遺言も検認は不要です。
単独相続でも基礎控除を超えれば申告が必要です。まず概算を確認しましょう
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